ゆで卵の殻をむいているときだったか、ふと、思ったことがある。
ゆで卵
なま卵
炒り卵
だし巻き卵
と、調理法や状態を示す言葉が前に来てから、卵がくる命名が多いのに、作ろうとしていたものは、大きく違うことに気づいた。
「目玉焼き」
・・・
「卵」という材料さえ入っていない。
しかも、何たる怖いネーミング。
目玉を焼いたもの、なんていうと、ししゃもなどの小魚とか、イカの姿焼きとかが思いつくが、目玉だけを取り立てて、というのはなかなかないでしょう。
この年末年始は、そんなことを嫁と議論したひと時があった。
で、この恐ろしいネーミングの卵料理について。
このご時世、昔は普通に使っていた言葉でも、差別的だとか、相応しくないとかで、言葉狩りのような風潮もある。
どちらかというと、その言葉や単語よりも、どういう文脈で使ったの? 誰が誰に言ったの? どういう意図で? …といったことの方が重要だと思うのではあるが、確かに、それで傷つく相手がいるのであれば、改めるべきところは、あるにはあると思う。
ということで「目玉焼き」という言い方は、今後「良くない」と言われる可能性がある表現方法、違う言い方をしなくてはいけなくなる可能性も無きにしも非ず、ということで、嫁に、いい表現方法がないかと、意見を聞いてみた。
嫁「太陽焼き!」
私「ほな、ひまわり焼き、や」
嫁「OK焼き!」
私「ははは」
・・・
やりとりの末、とりあえずの候補として、我々としては「OK焼き」を採用することとした。
もし「目玉焼き」という表現方法が、社会的に不適切となった際の、別の言い方として、「OK焼き」を準備しておこうと思っている。
いったん落ち着いたかのように思われる
卵料理サミットであるが、実は「目玉焼き」にせよ「OK焼き」にせよ、たぶん今後も使い続けられるであろう「卵焼き」にせよ、調理法が後に来ている、という、他との違う命名の由来は、謎のままなのである。
ひとつ疑問を抱くと、次々と新しい疑問が湧いてくるのであった。