自信漢方

ある晩酌のとき、どうも近頃自分のエネルギーが少ない気がして、

私 「なんかどうも自信がない感じやわ…」

とぼやくと、

嫁 「はい、自信」

と、嫁が握った拳をこちらに向けてきた。

ジェスチャー的には、飴玉みたいなもんを私に渡しているような素振り。

なので、手で受け取って、口に入れる仕草をして、

私 「うぉー、なんか自信が湧いてきた、何でも出来るぜー」

と握りこぶしを作って大袈裟に効果を表現すると、

嫁 「ふふふ、なんか副作用ありそう」

私 「ははは、確かに」

即効性のあるもので、効果が急激なやつは、なんとなく副作用がありそうなイメージだな。

嫁は、返しが妙にうまいときがある気がする。

今回嫁から頂戴した「自信」という名の何かは、少なくとも、悪い副作用があるものではなさそうだ。

嫁は、私の漢方みたいな役割も担ってくれているのかもしれないなぁとか。

ありがとさん。

夜の向こうに青空、とか。

6月半ばにして日中は気温30℃くらいになっているようで確かに暑い。

とはいえ、夕方になるとちょっと涼しい感じがするんで、1日を通しては真夏!という感じではないかな。

あっついなぁ…と思いつつ、何気なく昼に嫁にLINEを送ってみると、ちょうどスマホを持っていたのか、すぐに返してくださった。

私 「夏日やな」

嫁 「天窓から(日差しが)カーとなっとります」

天窓のある部屋にいる様子。

メッセージのあと、天窓の写真を送ってくれたんだが、ふとオモロイ写真やなと思った。

いわゆる逆光で、相対的に暗いところがぐんと暗く写っている。

ふと思い出したのは、そういえば嫁は、学生の頃から、ちょくちょく美術館とかへ行くことがあったようやが、確か好きな画家の中にマグリットが入っていたはず。

私 「マグリットの絵みたいやな」

嫁 「アートやんかいさ」

ちょっとコントラスト変えたけれども、月の出ている夜空に窓があって、そこから青空が見えている・・・というように見えませんでしょうかね。

心にアートを、なんちゅうてな。

一緒に帰る

とある金曜日、早めに帰った時があって、18時半くらいだったろうか、嫁にLINEを送ってみた。

嫁は「未読スルー」が得意技なんで、返事があるかどうか分からんかったが、珍しく?近くのファミレスにいたようで、返ってきた。

私 「ウチにおるん?」

嫁 「ファミレス。でももう出ようかな」

私 「もう駅に着くし一緒に帰るか」

嫁 「おげー行くわー」

とやりとり。

駅に着き下車、改札を出て、ファミレスのある方向へ向かって歩いていると、向こうからてくてくとこちらにやってくる嫁の姿あり。

20メートルくらいの距離で私に気づいたようで、少し小走りに駆け寄ってきた。

私も、嫁の姿が見えたときに、大げさに手を振ろうかなと思ったが、同じく下車した人たちもそれなりにいて、躊躇しているうちに合流。

ちょっとした待ち合わせ的な感じで、駅からの10分足らずの帰路へ。

なんか小学生が一緒に帰ってるみたい、との嫁の言葉を皮切りに、雑談しつつ歩き始める。

前日に部屋の整理をした嫁は、筋肉痛が来てる、予想では、明日か明後日にピークが来るだろう、とのこと。

私も久々に先週からジム通いを再開していて、先週はジムに行った日の2日後がキツかったとか、10万円の支給金は何に使うか、などと話しているうちに、自宅へ到着。

なんのことはない、でも、ちょっとほっこりした気持ちを味わったのでありました。