久しぶりに、公の場で散髪をしてもらった。
というのも、ここ5年…いや、もっとか、ずっと嫁に刈ってもらっている。
なので、散髪屋さんでやってもらうのが相当振りで、ちょっと緊張したくらいだ。
なぜ久々にそうしたか。
私「週末あたり散髪してくれん?」
嫁「うん、いいよ。でも、いっぺん外でやってもらったら?」
私「ん?ああ…まぁそれもええかな…」
・・・
この瞬間に私が思ったことはと言えば、
・今日?昨日?何か嫁の気に触ることをしてしまったか
・前回散髪してもらったときのデキに不満に聞こえるようなことを言ったか
・なんか今日は面倒臭い…ということなのか
・私は夫婦の会話やスキンシップの1つのような感じで捉えていたのだが実はイヤイヤやってくれていたのか
・・・
しばらくして、
嫁「いっぺんプロの技を見てみたいなと思って」
私「おぉ!あ!なるほどな!そういうことね!」
と少し安心したのである。
ということで、行ってきました。
ショッピングモール内にある、10分床屋さんのようなところ。
恐る恐る「イケますぅ?」と言いながら店内へ入ると「いらっしゃいませ!どうぞ」と若い男性が応対してくれた。
店が空いてるんやからそりゃあイケるわな…とか思いつつ、歩を進めると、
店員さん「お先にチケットお願いします」
私「は、あぁこれですね」
とお金を投入し発券。
券売機に「チケットご購入の前にアルコール消毒をお願いします」と書いてあるのに気づき、チケットを渡した後に「ごめん、アルコール消毒してへんかったですわ」とスプレー。
そこでちょっとだけ笑ってくれたような気がして、こちらも少し緊張が解ける。
いざ本番。
かつてはどうやってお願いしていたかと言えば「短く」くらい。
それでも思うほど短くならないことが多かったので、今回は「かなり短く」と伝えた。
あとの「ここは?」という幾つかの質問に対しては「自然な感じに」と答えながら。
刈ること10分かそこらで出来上がり、嫁の待つ場所へ戻る。
嫁は休憩用の椅子に座って寝ていた。
分からんようにそっと横に座って数分くらい、私に気づき、頭を眺める。
私「やっぱり短さがもうひと声という感じな気がする」
嫁「そうかな、さっぱりしてる」
と言葉を交わし帰路に着く。
エスカレーターでは後ろから、視点を変えながら、マジマジと私の頭を眺める。
家に着いてからは、スマホで何枚か写真を撮った。
一連の嫁の様子も含めて総合的に考えて、嫁の「外でやってもらったら?」という言葉をネガティブに捉えて傷ついた私の心は、癒されていったのである。
さて、またいつの日か、嫁に散髪してもらえる日を夢みて、今日のお話はおしまい、おしまい。


