「ちょ」仕訳

サラリーマンの私は、年に2回の賞与をもらえている。

幸いなことに、これまで25年ほどのサラリーマン生活の中では、景気の良し悪しもあって、部分的にカットということはあったが、ゼロだったことはなかったと思う。

ところで先日、現在の勤め先から夏季賞与が支給された。

いつの頃からか、賞与については、嫁と私それぞれが希望する資金の振分けを考え、その平均で目的別に貯金するといった形をとっている。

うちの家計簿には目的別の貯金があって、その名も「〇〇ちょ」という。

たとえば、我が家は住宅ローンを組んでいる戸建なんだが、例えば、繰り上げ返済のための貯金は「繰ちょ」、家電や衣服などの生活用品などのための貯金は「要るちょ」、各種税金のための貯金は「税金のちょ」、遊びや旅行、レジャーのための貯金は「レジャちょ」・・・といった具合で、結構な種類の「ちょ」がある。

家計は100%嫁に任せていて、月々のサラリーは嫁により「〇〇ちょ」に振り分けられている。

先日も賞与が支給された日に金額を確認して、お互いの希望の仕訳を出し合い、その平均値で振分けを決定した。

ただ、いつもは2人で示し合わせることはなかったんやが、今回は、お互いの小遣いについて、仕訳の提出前にネゴをしており、前もって決定した金額での振分けとなったので、

嫁「談合や!」

私「インサイダーや!」

などとやりとりしながら、小遣いが増えるのを喜んだわけである。

振り込みのあった日、LINEでやりとり。

嫁「現金で渡すのがいい?ヨシの口座に振り込む?」

私「口座に振り込んどいて、現金でもろたら使うてまいそうや」

嫁「分かった!」

(数10分後)

嫁「振り込んだよー、確認しといて」

私「はや!」

嫁「『はや!』って言われたいようなところある」

私「入金されてる、OK」

ということで、それぞれ小遣いも無事ゲットしたのであった。

ところで「ちょ」の種類は、ときどきアップデートされるようで、最近では、車購入を想定した「カーちょ」、スマホの機種変更のための「スマちょ」などが出来ていた。

逆に、かつてはあったがなくなったものの1つに「ぼえちょ」がある。

生活を防衛するということだったようだが、今では、生活用資金が足りなくなったときのための貯金として、私の名前を使った「ヨシちょ」に統合されたようだ。

ちなみに、昔は守りのヨシオ、攻めのタマコのイメージから、生活防衛の「ヨシちょ」、投資とか積極的に増やすことを想定した「タマちょ」というのがあったが、今は「タマちょ」もどこかに統合されたようである。

たぶん、これからも統廃合があったりするだろうと思うが、嫁に任せておけばええ具合にやってくれるでしょう。

なんか違った…

先日、いつものように朝マックを調達し、食いつつ飲みつつ、ショッピングモールへ向かった。

相変わらずなんの話してたかほとんど覚えていないものの、なんやかんやとしゃべりながら。

そう言えば、昔は、買い物が楽しいという感覚はあんまり持っていなかった気がするが、最近はなかなか楽しいものだなぁなんて思っている。

自分の買い物がない場合でも、出かけるのは楽しいし、嫁がお気に入りのものを見つけたり、お目当てのものを買えたり、何かを新調したりすると、良かったなぁと私も嬉しかったりする。

嫁も同じことを言っていたんで、お互いにそう感じているようで、まぁ結構なことだ。

ところで、この日は、私はグレーのTシャツ、嫁は夏用パジャマ、が目的だった。

ショッピングモールに着き「じゃあ」ということで、それぞれ思い思いに売り場を回って目星をつける。

おおよそ決まった感じのときに、LINEで連絡を取り合い合流。

それぞれの目的のものを買い物カゴに入れる。

カゴにものが入ることで、それぞれ良さげなんが見つかったんだなと分かる。

レジで精算を済ませ、満足顔で帰宅。

嫁の提案で、このご時世ということもあるし一回洗濯することに。

翌晩だったか、

私「あのパジャマ着いへんの?」

嫁「うん…」

私「どうしたん、テンション低いがな」

嫁「うん…買ったやつ、ちょっとぴっちりしてて、ちょっと違ってて…」

私「ははは、思てたんとちゃう!てやつか」

嫁「うん…」

私「実は俺もグレーのTシャツ、あれ肌着や、インナーの売り場にあったし当然やねんけどなぁ」

嫁「ははは!お互いやってんや!」

と、どうも2人して「思てたんとちゃう!」になっていたようだ。

ショックというほどでもなく、落ち込んでいるというほどでもないこと、ちょっとした「なんか違う…」という程度のことがあったときの、嫁の様子は、見ているとちょっと面白いなと思うのであった。

モカの話

一年ほど前だったと思うが、コーヒーメーカーを買った。

Nesle(ネスレ)のDolce Gusto(ドルチェ グスト)というやつで、GENIO i(ジェニオ アイ)という機種のようだ。

マシンのタンクに水を入れておいて、専用のカプセルをセットし、ボタンを押すと、おうちがカフェに!というもの。

かつては、ペーパードリップというのか、挽いたコーヒーを買ってきて、コーヒーフィルターを使って入れるタイプのものを使っていたこともあった。

インスタントじゃないのを入れると、部屋にコーヒーの香りが漂って、コーヒー好きの我々としては、リラックスできるような感じがする。

どちらかというと、私の方がコーヒー好きなのかなぁと思うが、嫁も好きで、良く入れていた。

で、このドルチェ用のカプセルには、コーヒーだけじゃなく、ココア、エスプレッソ、抹茶ラテ等々、いろんな種類があって、選ぶのも楽しい。

私は、オリジナルブレンドがいちばん好きな感じで、今はなにやら品薄らしく、レギュラーブレンドが主流。

嫁は、見ていると、カプチーノ、エスプレッソとかがお気に入りなのかなと。

一番はじめ、どのカプセルを買うかとワイワイやっていたとき、おそらく、レギュラー、オリジナル、モカ、とかを買ったんじゃなかったか。

飲み比べで、私は、1位:オリジナル、2位:レギュラー、3位:モカ、という感じだった気がする。

私「俺、モカじゃない方が好きやなぁ」

嫁「・・・」

私「他のやつに比べるとちょっと酸味があるような気がする」

嫁「へ~」

私「うん、オリジナルがいちばんフラットな感じで好きやな」

嫁「・・・」

私「コーヒーの種類とか違いとか全然しらんねんけど、前にも、モカって自分にはちょっと違うように思った気がするわ」

嫁「うん」

私「そんなん言いながら、前にタリーズで飲んだ今日のコーヒー、モカやと店員言うてたけど、あれは美味しかったし、同じモカでも、いろいろ個性があるんやろうなぁ」

嫁「・・・」

私「聞いてる?」

嫁「ん?ヨシのモカの話?」

私「あぁ、まぁ、そうやけど」

と、こんなんを打ち込みながら、コーヒーの種類なんかをネットでチェックしてみたが、味とか風味は、焙煎の仕方とかでも変わるようやし、何がしかブレンドしているものも多いようで、モカと言っていても、モカのみのコーヒーってわけでもないんでしょうな。

モカ・ブレンドというか。

なので、モカと言っているからというのは、美味しいコーヒーを逃してしまうかもしれないので、あまり気にしないでおこうと。

聞いているような、聞いていないような、でも、モカの話だということは、嫁は聞いてくれていたようでした。