真っ白に…

ホームセンターへ日用品を買いに行ったとき、ペット用品売り場のところに、小動物のコーナーがあって覗いてみると、インコやらハムスターやらうさぎやらがいた。

眺めていると「ハムスターめっちゃかわいいやん…」と感じ、少しだけ飼うことを考えた。

犬や猫を飼っている人は多いし、ペットを飼うことにそれほど大げさに考える必要はないのだと思うが、我々夫婦、ちゃんと面倒見れるんだろうかと、尻込みしてしまう。

外出のときどうするんだ、旅行のときどうするんだ、夏の暑さ、冬の寒さはどうするんだ、といろいろ考えていると、やっぱりやめとこう、となる。

犬猫に比べれば、鳥やハムスターあたりは、お世話のレベルが少し減るような印象があって、ふらっと連れて帰りそうになったが、やっぱりお世話できんだろうな、ということで、今もうちにはペットはいない。

もし、ペットを飼ったとすると、おそらく基本のお世話は私がやることになるのだろうなと思う。

プランター菜園をやっていたときも、私はそれこそ土作り、肥料やり、毎日の水やりなど、細々とした作業を、わりと楽しんでやれるタイプなのだが、嫁はそういうことは苦手なように思う。

シソや小松菜などをベランダのプランターから収穫して食べたときに、

嫁 「うわー、ほんまに出来るねんなー、すごいなぁ」

私 「でも、シソや小松菜って初心者向けで、普通にしてたら育つらしいわ」

嫁 「いや~、ほんまに食べれるんやもんなぁ、すごいわぁ」

と、簡単か難しいかに関わらず、とにかく育ったことに対して感心したようだった。

私 「そういや、こないだハムスター見たとき、ほんま飼おうかと思ってもうたわ」

嫁 「ははは、えらい見てたもん」

私 「でも、面倒見切れへんような感じがするからなかなか踏ん切りがつかんわ」

嫁 「飼ったら飼ったで、ちゃんと見るんとちがう?」

私 「まぁ俺やったらそうかもしれんけど。」

嫁 「あたしはあかんやろうな~」

私 「あんたの場合、動物じゃなくて、藻とかええんちゃうか、そうや、マリモとかええやん、ちょうどあんたと一緒で丸いし」

嫁 「ははは! 藻でもあかん気がする。あたしブラウンフィンガーやねんわ。あなたはグリーンフィンガーやね。」

私 「あーそういえば、サボテン枯らしたことあるって言うてたな」

嫁 「あーそうそう! サボテンって手間かからへんと思ってたのに、なんか白くなったから捨てた」

私 「(笑)『真っ白になったぜ』ってか? 『あしたのジョー』やあるまいし…」

嫁 「あれ何でやったんやろ? 水やりすぎなん?」

私 「知らんがな…。せっかく部屋にグリーンを、って買って来たサボテン、『白なったから捨てた』って、ひどない?(笑)」

そういえば、かつみさゆりさんのエピソードで、300万円ほど借金をしてクワガタを育てて、600ペアくらいになったときに、さゆりさんがバルサンをたいて全滅させてしまった、というのがあった。

我が家もそういう類のことに気をつけなければいけないのかもしれない。

骨子

新聞に目を通していたとき、たまたま普段はあまり読まない政治面の記事で、マニフェストの骨子云々というところが目についた。

骨子。

何となく、嫁に話ししてみた。

私 「政党の『ほねこ』が載ってるわ」

嫁 「なに?」

私 「今日の朝刊には、いろんな政党のマニフェストの『ほねこ』が出てるんや」

嫁 「・・・」

私 「なんや?」

嫁 「うん・・・ただ、それって『こっし』って読むんと違うかな・・・」

私 「そうやな」

嫁 「なんやー!知ってるんかー! あなた時々そういうの知らんことあるから!あははは!」

私 「ほれほれ、新聞みてみてぃ『ほねこ』がいっぱい」

嫁 「もういいって!(笑)」

・・・

私はそうやって面白がって言うことがあるが、確かに嫁の言う通り、人から「えっ?」と思われるようなことを知らないことがあるようだ。

「ほねこ」はわざと間違ったんやが、私が本当に間違っている時と同じく、今回も嫁は、本当に間違ってるんやろうか…と、確認のように訂正してくれるところがある。

こういうところ、嫁の長所、優しいところだと、私は感じているのですよ。

「一瞬の夏」で晩酌

数日前に「一瞬の夏」というノンフィクションの本を読み終えた。

沢木耕太郎さんの作品だが、この人の名前を知ったのは「春に散る」という小説で、これは新聞に連載されていたそうだ。

それも、連載されているときには知らなかったのだが、義母が読んでいて面白かったらしく「お薦めよ」と言っていた。

あるとき本屋さんで単行本が並んでいるのを見つけて「そう言えばお母さん言ってたなぁ」と思い出し、購入したところ、結構ハマって通勤時間を使って数日で一気読み。

沢木耕太郎さんと言えば「深夜特急」で知っている人が多いのかもしれない。

大沢たかおさん主演のドキュメンタリー的なドラマにもなっていたし。

私は、小説にしてもドラマにしても「深夜特急」という作品は、公開同時に出会わなかったのだが、何年か前に香港へ出張に行ったときに「重慶マンション」の前を通りかかった際、一緒に行った後輩が「ここ『深夜特急』に出てきたとこですやん!」と言っていて知るに至った。

で、香港から帰ったときに「深夜特急」の文庫本を買って香港滞在時のところだけ読んだ。

そんなこんなで「深夜特急」「春に散る」と、私にはどちらも面白いと感じたので、他の作品も読もうと思い、本屋で見かけた沢木さんの本で「敗れざる者たち」「一瞬の夏」と立て続けに読んだ。

内容についてはネタばれさせないよう書かないとして、読んでいていろいろ考えさせられるところがあった。

読み終えた日の晩酌で、

私 「今日『一瞬の夏』っていうノンフィクション読み終えたんやが、いろいろ考えたわ」

嫁 「へー」

私 「『いつか、いつか』って言うてて、その『いつか』が来るんだろうか…とかな」

嫁 「いつやるの!!今でしょ!や」

私 「ははは、まさにや」

嫁 「・・・」

私 「・・・」

嫁 「あ、ごめんごめん!腰の骨、折ってしもうたな!」

私 「(笑)!」

嫁 「?」

私 「『話の腰』のことか? 腰の骨、折ったら大ごとやわな…」

嫁 「うっわ!ほんまや!あははは!おもろー!」

私は自分の腰の骨を折られたとは気づかず、ビールを飲みながら喋っていたのか。

「お前の腰はもう折れている…」「なにっ・・・ひでぶー!」ってなもんか。

読後感に、新たな感覚がもたらされた感じだ。

福満

福満しげゆきさんという漫画家がいる。

漫画といえば、嫁から聞いたりして読むことが多いのだが、この方の漫画は、私は結構好きだ。

絵の感じが好きなのもある。

昔は、エロ漫画も描いていたみたいだが、そう言うジャンルは、絵のタッチが好みだと、それなりにツボを突かれる感じがあった。

今もその方向の作品も描いておられるんかな?

でも、そっちの話に行くつもりはないので、それくらいにしておいて・・・

「うちの妻ってどうでしょう?」という漫画がある。

それを嫁から見せてもらって読んだとき、福満さんの、嫁さんをみる目は、私にも共通する部分があるかもなぁと感じたのだ。

大きく括れば、ノロケとも言えるだろうし、私がこうやってプログを書いているのも、行為としては近い気もする。

ただ、自分の場合は仕事じゃないんで、やってることが似てる、なんて言うというのは、福満さんに失礼に当たりそう…

で、先日の酔虎伝の話じゃないが、私は「福満」の読み方を、どういうわけか「ふくまん」と思い込んでいて、

私 「『ふくまん』さんの漫画、オモロいなぁ」

嫁 「『ふくみつ』じゃないの?」

と言われた。

調べてみると「ふくみつ」さんだった。

そういうとき、逆の状態だったら、

私 「いやいや『ふくまん』て(笑)、普通に考えたら『ふくみつ』やろ〜(笑)」

と言って、引っ張っていただろう。

嫁の言い間違いで、自分にとってインパクトがあったら、それで何日か面白がれる。

さすがに嫁が、それを言われるのが嫌な感じだったらできないが、人の名前の間違いとかだったら、

嫁 「あーそう読むんやー知らんかった!」

で、あっけらかんなのが良いわけで。

私の嫁を見る目は、果たして愛あるものなのか、単に面白がっているだけなのか。

それこそ、神のみぞ知る、というところか。