黒酢の定期購入

嫁はときどき、軽く何かにハマることがある。

もう10年以上前だろうか、黒酢を定期購入したこともあった。

冷蔵庫に小さな四角いパックの黒酢ジュースのようなものが入っていた。

週に1度だったかいくつかが届いて、それを数日に1回?愛飲していた。

ある日、どんな味がするんだろうと、ひとパック飲んでみたが、ほぉそれなりに旨いし体にもええんやろうなぁと思った。

後日、

嫁「あれ?黒酢減ってる?」

私「あぁ、1本もろたわ、旨いやん」

嫁「もう!飲まんといて!」

私「へ…?あ、ごめんごめん」

と、怒られてしまった。

私も、欲しくてたまらんわけではないから、以後、勝手に飲まんようにしようと気をつけたのである。

定期的に送られてくる黒酢のパックは、増えては減り、無くなった頃に届くという、定期購入の正常な流れができていた。

数週間か数ヶ月か定かではないが、ある日、冷蔵庫を開けると、黒酢が1週間に届く個数よりも多く残っているのを見つけた。

私「黒酢、なんかようけ残ってるで?」

嫁「あ、飲んでもいいよ」

私「え、そうなん?」

嫁「うん。なんか余ってきてるねん」

私「なんか、そうっぽいなぁ」

と、私も飲んでもいいという、嫁のお許しが出た。

私も特別好んで飲むわけではないが、あるので飲んでいたのだが、だんだんと私の飲む回数の方が多くなってきた感じがした。

私「黒酢、俺ももうそんな要らんけどな」

嫁「うん、もうやめよっかな」

私「そうなん?」

嫁「あたしももうあんまり要らんし」

私「なるほど、別にええんちゃう?」

嫁「そうする」

ということで、黒酢の定期購入は終焉を迎えたのである。

嫁は「熱烈にハマる」という感じではなく、なんとなく始める、というふうなことがわりとある気がする。

まぁなんでも試してみるというのは、嫁らしさの1つのように思う。