とびうお

人工の浜辺のある公園ができていたので立ち寄った。

水際まで行って、ぼーっと海を眺めていると、魚が跳ねた。

嫁「あ、跳ねてる!」

私「お、ほんまや」

嫁「また跳ねた!」

私「結構でかいな」

嫁「とびうおにしてはデカくない?」

私「いや、とびうおちゃうやろ」

嫁「とびうおじゃないのに飛ぶの?」

私「川とかでも跳ねるやん」

嫁「飛んでる魚はとびうおやと思ってた」

私「クジラも飛ぶやん」

嫁「あれは哺乳類やん」

私「あぁ、そうやな」

嫁「ね」

私「うん」

嫁「うん」

お互いに、何かを共有して、納得したような形でこの会話はひと段落したのであった。

干したズボンにびっくりしないシステム

うちでは、洗濯物をベランダとか外で干すことはほとんどない。

洗濯機はドラム式で、いちおう乾燥までやってくれるし。

ただ、洗いと乾燥を自動設定すると、大きめの洗濯物、例えばズボンとかのポケットあたりなんかが乾き切っていない時があったりする。

なのでだいたい、ズボンは洗濯機から出したあと、浴室乾燥機で数時間くらい追加で乾かすことが多い。

先日、嫁がそれに関連して、ある悩みを打ち明けてきた。

嫁「ズボンとかよくお風呂で乾かしてるやん」

私「うん、乾かしてる」

嫁「いつも浴室乾燥機してるの忘れて、お風呂場のドア開けたとき『うわっ…!』てなるねん」

私「なんでや…洗面所もぬくくなってるし、扉開けたら熱いの分かりそうなもんやけど」

嫁「熱いのは気にならへんねんけど『なんかあるっ!』って思うねん」

私「干しとるもんなぁ」

嫁「なんかある!てなるねん」

私「干してたズボンな」

嫁「うわ!て声出してしまう」

私「そないにびっくりなんや」

嫁「うん。自分の声がびっくりする」

私「すごいなぁ」

嫁「で、またびっくりしてもうた!と笑ってまうねん」

私「そうなんやな」

嫁「いっつも…!」

私「いっつも」

嫁「何回もびっくりするねん」

私「何回も」

嫁「もう何回も!」

と、なにやら、意志の疎通ができてるのかどうかさえ分からん会話の感じもするが、結局は、自分で干したズボンに何度もびっくりするようだ。

まぁ、嫁の持ち前の、イノシシ的な行動を想像すると、そういうことが繰り返されても不思議ではないかなぁと思うところはある。

そんな悩みを聞いてからしばらくしたある日の夜、仕事から帰ってきて、いつものように洗面所で手を洗った。

通常より室温が高くむっとしていたので「あぁ洗濯回してズボンを干してるんやなぁ」と思った。

ふと浴室のドアを見て「ふふふ」と笑った私である。

私「なかなか考えたな」

嫁「え?なにを?」

私「こないだ話してた、干してるズボンにびっくりするというやつ」

嫁「あ!そうそう!」

私「あれなら気づくかぁ」

嫁「あのシステムを導入したからもう大丈夫と思う!」

私「いやぁ、あんた自分をナメたらアカン、札を貼るのを忘れることありそう」

嫁「あるかも!あとは、貼ってるのに気付かんとかも!」

私「それあるかな…」

嫁「分かった!紙を外さないとドアが開かないとかは!?」

私「…そこまでする?」

・・・

どうやら、嫁が考案したシステムは、稼働初日から懸念事項が出てきたようで、さらなる改善が必要かも知れない。

そういう時間も大事

夕方あまりにも眠くなってしまい、寝るのもったいないと思いつつ、こりゃいかん…ということでちょっと夕寝をした。

18時過ぎたくらいで、まだ就寝には早いし、いろいろやりたいと思って、目覚ましに川沿いまで行って散歩。

日曜の夕方、なにかいいアイデアが降りて来んかなぁと思って歩き始めたが、川沿いまで来て、水の音がええなぁとか、山きれいやなぁとか、途中で子供に水鉄砲うたれそうになったり、何でもない、ただの散歩をして帰ってきた。

「おかえり!」とともに、そんな話をすると、

「そういう時間も大事」

と言う嫁であった。