
カバンブームの話


緊急事態宣言が解除されたから、というわけではないが、久しぶりに、昼飯の外食をした。
私としては、勤め先の食堂以外で考えると、1ヶ月以上振りになるかなと思う。
その日、買い物の帰りに昼飯どっかで食べて帰ろかと話をして、もう2時半やし店も空いてるだろうということで、2人ともがお気に入りの、うどん、そば処へ。
近くのパーキングに車を止めて、お店へ向かう。
私 「うどんもええけど、あそこの中華屋っていう手もあるよなぁ…」
嫁 「おっと、あ〜それもいいな〜」
私 「うわぁ、自分で言いながらこれは難題やで」
横断歩道前で2人立ち止まる。
嫁 「あー!アカン!あたし分からん」
私 「うん、ま、うどんにしよか…」
ということで、珍しく?初志貫徹?でお目当てのうどん屋さんが入っている建物へ。
私 「これで閉まってたりしたらツライな…」
嫁 「え〜」
私 「もう俺、カレーうどんのモードに入ってるし…。あんたは田舎そばか?」
嫁 「分かってるな〜!それか、天ざる!」
私 「あぁ、それもよう食うよな。俺は、天ぷらうどんか、カレーうどんでいつも迷うとこやけど、今日はカレーかな。あそこのカレーうどん、他では食えんねん。基本、カレーうどんはどこやつのも好きやけど、カレーうどんの中では、あそこのがいちばん好きや」
嫁 「へー」
と、店への最後の曲がり角を回る。
・・・
私 「あれ…」
嫁 「シャッター?」
私 「え、え…」
嫁 「…!空いてる空いてる!」
私 「うわぁ、良かったぁ…となりのシャッターか…」
と安堵のうちに入店。
私はカレーうどん大盛り、嫁は田舎そばのあったかいの、を注文。
いつものように、外国の留学生と思しきウエイトレスさん。
そういえば、何故かここは、多国籍うどん屋さんだった。
そして、
私 「あーやっぱ旨い」
嫁 「良かったねー」
と、たいらげる。
私はあまりに暑いので、額には粒状の汗、Tシャツには汗がにじむ。
持っていたタオルでTシャツの内側も拭く。
私はうどんとかラーメンとかはスープまで完食するので、暑い暑い…。
珍しく嫁も、私のカレーうどんの出汁をレンゲで口に運び「なるほど美味しい、ちょっとピリッとするなぁ」といいながら、美味さには納得してくれたようだ。
何席が埋まっていた客席も、私らがゆっくりしてる間に、そろそろと出て行った。
私の汗もひと段落して「ほな、行こか」と立ち上がり、レジへ。
中国神?台湾神社?のお嬢さんが上手な日本語で会計してくれる。
ふと、店の柱を見ると、
「32年間ご愛顧賜りましたが、5月31日をもって閉店いたします。ありがとうございました。」
といった貼り紙を見つけた。
私 「おいおい、なんやこれ」
嫁 「え、なになに」
私 「ここ今日で終わるらしいで!」
嫁 「えー!」
ウエイトレスさん 「そうなんです」
私 「なんとまぁ…」
嫁 「ショック〜…」
と、支払い済ませたが、振り返り、店の外にも貼ってある案内の、同じ文章を再読。
やっぱり今日で閉店のようだ。
レジに行くときに、厨房で座ってはったおじさんの姿を見たが、あと何時間かで、32年続けてきた店を閉めるんだったんやなぁと思った。
2人してショックを隠しきれず、残念残念と言いながら歩く。
嫁 「でも、今日これてよかったなぁ」
私 「ほんまやで、中華屋さんに言ってたかもしれんもんな」
嫁 「あの流れやったら、ヨシは中華の方に行くパターンやと思ったもん」
私 「引き合わせしてくれたということで」
嫁 「来てますよ、これは」
と、最後に、ホンマの最終日に、ご馳走になりました。
厨房のおじさんに挨拶でもしたらよかったかなぁと思ったけど、ヤボかなぁとか。
もうあのカレーうどんや、美味しい天ぷら、親子丼が食えんのかぁと思うとやっぱり残念やが、「自分らで再現トライしたらええやん!」との嫁の提案に「うん、そやな」と答えて帰路に着いたのである。
またひとつ、お気に入りの店がなくなってまうけど「行く川の流れは絶えずして、されど元の水にあらず」ということで「川の流れのように」と、いろんなのを引用しつつ…。
美味しいうどん屋さん、長い間、お疲れ様でした & ありがとうございました。

私は、嫁が間違ったこととかを面白がる、という意地の悪いところがあるようだ。
小学生くらいの男子が、好きな女子にちょっかいをかける、というのはありがちなことだが、それに近いものと言っていいかもしれない。
もう我々2人、おじさん、おばさんなので、何をやってるんだという感じではあるけれども、実質は、私がそういうことしてを嬉しがっているだけで、嫁は「それの何が面白いん?」という感じだから、私だけが小学生気分なんだろうな、とも思う。
とても些細な事をわざわざ取り立てて私が面白がる。
何かそれに該当するようなことがあったときは、
嫁 「あー、このことまたしばらく言われるわ~」
と言ったりする。
ある朝、私が先に起きて、インスタントコーヒーを入れて、牛乳を足そうと思って冷蔵庫を開けると、牛乳パックがこんな感じになっていた。

これを見て私が思ったのは、
「あぁ、注ぎ口じゃない方から開けようとしていることに途中で気付いて、方向修正したんだなぁ」
ということだ。
注ぎ口じゃない方は、広げられているものの、開くとこまでは行っていないので、ギリギリ間に合った、といったところか。
このことは嫁にはまだ言っていないが、私の予想では、
嫁 「ん?そうやったっけ?」
と忘れているか、
嫁 「それの何が面白いん?」
という、いつもの答えか。
あるいは、私の捉え違いで、何か意図があって、両側を広げたのか。
まぁ、要するに、結果として現れている現象、今回なら、牛乳パックの両側が開いている、といったことで、そのときどきに、行動してる姿嫁を想像して、私は面白がっているのである。
嫁 「あ、逆や…」
とか思ったんだろうか、とか…。
想像は尽きることがないのです。
…
後日聞いてみると、
嫁 「あ、バレた?」
という返事でした。

