晩酌のとき、嫁は結構眠くなることが多いようだ。
おそらく、私の話が退屈すぎるというのが要因なのだろうと思うが…。
嫁が「眠い」とか「あかん」と言い出すと、その流れでそのまま、ぱたんっとコタツで横になることがある。
コタツで寝てしまうと、翌朝に体のどっかが痛かったりすることもあるし、何より、風邪でもひいてしまうとお互いに長引くお年頃だったりもするので、なんとか寝室で寝られるに越したことはない。
それは嫁も私も共通認識なのだが、嫁にとっての睡魔というのは、私以上に強敵であるようで、ものを食べながら寝ているようやこともある。
起きていたい、眠い、の天下分け目の戦いなのだろうと思う。
でも、睡魔は手強く、ふぅっと横になろうとするとき、私は、腰や肩、ときには頭を腕で支えつつ、
私 「あかん!ここで寝たら!」
嫁 「眠い…あかん…」
私 「あー重い…」
とやり合っているうちに、嫁は全体重をかけて眠りの態勢に入る。
さすが支えきれず、ごろん、と。
1人残された私は、飲みつつ、横たわる嫁を肴に、考え事したり本を読んだり過ごす。
さて自分もそろそろ寝るか、となったときにいちおう嫁を起こしてみる。
何とかコタツから這い出てきて「・・・い・く・・・」と寝室へ向かうことができることもあるが、ほぼ動かない、反応がないときは、やむを得ず放置することも。
先日、嫁が、目をつむった状態で体を傾け始めた瞬間をとらえ、横たわるのを抑止したとき、
嫁 「うたた寝警察のうたた寝取り締まりに捕まる・・・」
と言っていた。
なんやそれは…。
警察を以ってしても動かない嫁が、こうしてコタツで横たわっているのだ。
風邪ひきなや…
と思ってたら、むくむくと起き上がり、鬼の形相で寝室へ向かったのであった。