先見の明

嫁の感覚は、鋭いところがあると思う。

私がモワモワ…じゃなくて、何となくモヤモヤしてて話をしたときに、ふと嫁が言ったことが、すとんと私に入ってくることがちょくちょくある。

何か、形からじゃなく、彼女の持ち前の?感覚のところから出てくる?言葉とか雰囲気とかに、時々救われているところが、少なからずあるように思うのだ。

そんなことをまじまじと嫁に話したことはないと思うが、酔うたノリで?そんな感じのことを話していたときやったか、

私「あぁそういや、中学くらいのときから、ダウンタウンが面白いなぁと思ってた言うてたなぁ」

嫁「うん、なにこの人ら、オモロ!って」

私「要するに先見の明があるんやろうなぁ」

嫁「分からへんけど、面白いなぁと思ってたらどんどん有名になった」

私「それ、先見の明と言えるんちゃうん?」

嫁「それは分からんけど面白かったし…」

私「俺と結婚することにしたのも、そういう先見の明が働いたんやろうなぁ」

嫁「そうかも。最果ての地」

私「え、ちょっと待ちいな。『最果て』て、その言い方やったら次がないやないかい」

嫁「あはははは!」

私「『あはははは!』やないで…。俺との生活でも次の展開も見ようやぁ…」

嫁「あはははは!」

というやりとり。

嫁は、鋭いというか、裏表がないというか、天真爛漫というか、また、一緒にいて、楽しくもあり、もちろんギクシャクすることもあり、なんやかんやで、交際からすると30年ほど、やって来れているんですなぁと、ふと。

I’ll take you just the way you are〜♪ とかなんとか言うて。

嫁の「先見の明」が、吉と出るか大吉と出るかは、2人次第なのです、ということで。

早く大人になりた〜い

最近でこそあんまりなくなったと思うが、私は結構前から、早く大人になりたい、と思っていた。

「早く大人になりた〜い」言うて、妖怪人間、ベム、ベラ、ベロの「早く人間になりた〜い」でもあるまいしねぇ。

嫁に対しても、ときどきそういうことを口にしていた時期もあったか。

なんだか自分がいつまで経っても根無草というか、フワフワしているというか、地に足がついていないような、そんなふうに思うところがあって、しっかりしたい、ちゃんとしたい、そして、大人になりたい、という感じか。

あるとき、なんの話をしている時だったか、

私「あぁ大人になりたいわぁ」

嫁「どういう意味?」

私「なんかしっかりしたいというか…」

嫁「大人ってなに?」

私「あ、なんやろ…ちゃんとしたいというか…」

嫁「あんまりヨシらしくないわ〜」

とか何とかやりとり。

言われてみれば、私はどうなりたいと思っているんだろうと、改めて考えさせられたのであった。

年を重ねていくと、もう少し自分は、(何だかわからないが)大人になるもんだと思っていた感じなんだが、いつまで経っても、良くも悪くも、ヨシオはヨシオであって、タマコはタマコなんだよなぁと。

あ、そうそう、「吉と出るか、大吉と出るか」を応用すれば、いつまで経っても相変わず、良くもすごく良くも、ヨシオはヨシオ、タマコはタマコなんだよなぁと。

はっきりとした答えが出ないことを、あれこれ考えるクセがある私だが、ときどき嫁と話をすると「ま、ええか」とほぐれたり、妙に納得する意見が聞けたりすることがあるのだ。

ん?

大人というのは何たるか、は置いておいて、私が、しっかりしたい、ちゃんとしたい、と望むことは、ヨシオらしくないと?

今のままでOKという解釈で…