トリの後のナスビ

私が作る、晩酌のアテの中で、油多めの茄子の蒸し焼きは嫁に好評だ。

週にいっぺんくらいはリピしてるだろうか。

私 「今日なに食いたい?」

嫁 「茄子のやつ」

ということで、一品に入れることにした。

ただ、茄子をメインにというのはちょっと弱い気がしたので、逆算して、とりモモを蒸し焼くことにした。

逆算というのは、例えば、フライパン1つで何種類かのアテを作れる、とかいうのが私は好きで、はじめに作ったものの形跡を使うことで、次の料理が旨くなる、なんていうことに、ちょっとした悦びを感じる。

茄子を炒めるのに、トリももから出た油を使うと、油と相性のいい茄子が旨くなるようなのだ。

トリももが焼き終わり、残っている油に和風だしを足して、茄子を入れてフタをして蒸し焼きにする。

茄子がヒタヒタな感じになったら、器に盛って、しょうゆを絡めて、すりおろし生姜を添えて出来上がり。

この手順で進めることに決定!ということで、DCスタート。(DC : Drinkig Cooking、関連記事「何度でも乾杯」)

蒸し焼きは、待ち時間もあるので飲みが進み、私は徐々に饒舌になる。

私 「この〜、トリが出来上がると〜、ナスビをやりますよ〜」

嫁 「・・・」

私 「言うなれば『トリの後のナスビ』〜」

嫁 「・・・」

私 「『トリの後のナスビ』!」

嫁 「え、なに?」

私 「『トリの後のナスビ』やがな」

嫁 「なんなんそれ」

私 「『私の頭の中の消しゴム』(をもじってるん)やんけ!」

嫁 「わかるかい! むっず…!」

とか言うてるうちに、トリももと茄子の蒸し焼きの2品が出来上がり、冷奴とサラダあたりを追加し、テーブルについて2度目の乾杯なのである。

大前塾、柳井塾

柳井正さんと言えばユニクロの社長、大前研一さんは経営コンサルタントとして有名な方だ。

ときどき、ビジネス書の難しめ?の本を読むことがあるが、大前研一さんの本も何冊か持っている。

大前研一さんと柳井正さんの対談のような形式の本を読んだこともある。

キレキレのデキる2人が経営やビジネス界のことを議論している、という印象が残っている。

ビジネス書は、結構嫁も好んで読んでいるようだが、大前さんや柳井さんのようなタイプの人の著作は、あんまり読んでいないようだ。

どういう経緯だったかおぼろげだが、たぶん私が、大前さんの本を読んだ感想だったかを、晩酌のときに話題にしたのだろうと思う。

嫁 「あたし、大前塾とか柳井塾とか入ったら、メチャクチャけちょんけちょんに言われると思う…」

とのことだ。

私 「厳しそうやもんな。まぁ、考え方はひとそれぞれやし…」

嫁 「1日目で『帰れ』って言われて、帰りそう」

私 「ははは。いやいや、そこは帰らんと食らいついていくもんなん違うの? 言うてもあんた、かつての体育会系女子やんか」

嫁 「いや〜無理やろうなぁ」

嫁は基本的に頑張り屋さんで、一生懸命になると、まわりが見えなくなるくらいの猪突猛進さを発揮することがあるが、それでもどこかに、おおらかさというか、のんびり屋の要素を持ち合わせているような雰囲気がある。

確かに、大前さんや柳井さんの本や、テレビなんかでの話の感じを見ていると、ばっちりハマる感じではない気はする。

もし塾があったとして、さすがに「帰れ!」とまでは言われないにしても、心の中で「うっわぁ〜、全然わからへんやん〜、空気ピリピリしてるや〜ん、めっちゃ意識高い系〜!? グループ討論とかになったらどうしよ〜・・・」とか思いながら、講義を聞いている嫁の方が想像しやすいかも(笑)。

ホステスさん

晩酌される方々はお酒を飲むということなので、酔っ払うということを体感していると思う。

その中でも、もちろん酒に飲まれたらいかんし、愚痴っぽくなったら楽しくない、というのはある。

文句のために酒を飲むのはよろしくない、と思う。

あーなんやもう!ちょっと飲もか〜くらいならメリットありかな。

いやいや、そうそう、話がブレてまうんやが、家での晩酌をほぼ毎日やっていると書いてるものの、お互い無言で飲み食いしてるわけではない。

あまり、テレビをつけてることがないんで、確かに何か喋っているはず。

ところが、なにを喋っていたかは、ほとんど覚えていない。

私が話すことは、ほとんどが「しょうもない」と嫁から評されているんで、自分が覚えてないのは無理ないと思う。

私のパターンで、自覚があるのだが、喋ってる途中で脇道に逸れて、もともととは違う話をしだす、というところがあるようだ。

嫁はそれを、聞くとも聞かずとも止めることはほぼない。

ふと自分で気付いたときには、

私 「あ、そうそう、いや、なんの話してたっけ?」

嫁 「うん。なんも話してないんちゃう?」

私 「そうか…」

…ということがよくある気がしている。

酔っ払ったときの記憶がない、ということはよく言われるが、どうも私の場合は、飲んでる最中に、自分の話そうと思っていたことを、そのときに忘れていく、という傾向があるのかもしれない。

そんなときにも「あんた、言いたいことはなんなの!?」とか「なんの話ししてるの!?」とか言わず「へ〜」「あははは!」と聞き流す?笑う?嫁。

嫁はもしかすると、私が、そのために出向いて指名してしまうホステスの役割をもしてくれているのかもしれない。

高級店なのか、低級店なのか、そういうカテゴライズのできない、クラブ?

などと思う、休日出勤のDCだ。

何度でも乾杯

我々夫婦は、ほぼ毎晩ように晩酌をしている。

私が会社勤めなので帰宅がかなり遅くなったときや、どちらかの体調が芳しくないとき、どちらかが飲み会に出かけているとき、など以外はホントに毎日だ。

ビール、焼酎、酎ハイ、ウイスキー、日本酒、ワイン…なんでも飲む。

だいたい毎日2種類は口にしているかなと。

私は結構アテを作るのが好きなんで、休みの日なんかは、そろそろ準備するか〜という感じで、呑みながら台所に立つ。

私 「ぼつぼつDCするわ」

嫁 「たのんます!」

と、プシュッと缶ビール(第3の)を空けコップに注ぐ。

時間が早いときは、嫁はアテが出来上がってから飲むこともあるが、大概「私も参戦〜」となる。

休前日の晩酌の始まりはなんとも楽しいが、早くから飲むので、最後はべろべろになっていて、翌日には、何を話していたか、どうやって寝室に入ったかなど、覚えていないことも。

まぁ、何してるわけでもないが、ここ何年かは家飲みが主流だ。

アテを作りながら呑み始める前にまず「乾杯〜」とやる。

そして、なぜか通例のようになっているのが、乾杯の後の拍手。

実際に手を叩かなくても、口で言ったりする。

考えてみれば、なんじゃこりゃ?という感じだな。

こないだ「カンパーイ」とやった後、

嫁 「ハチハチハチハチ〜」

私 「なにそれ?」

嫁 「マルがとれてしもうた!」

と言っていた。

ちょいちょいなんか挟んでくる。

ふふふ…と思いながらアテ作り。

その間、嫁はパソコンで作業をしていることが多いか。

で、2、3品の料理が出来上がると、テーブルについて改めて「乾杯〜」とやる。

私があるとき、

「何回乾杯すんねやろなぁ」

というと嫁が、

「乾杯は多いほどいいんやで!」

と言っていた。

どこでそんなことを習ったのか分からないが、ふふふ…と思う。

ちなみに、DCは、Drinking Cooking.

食べつつ飲みつつ話しつつする我らなのである。

「なんでそんなん言うん?」

「なんでそんなん言うん?」

と嫁に言われることがある。

誰でもそうだと思うが、寝起きのときに髪の毛がバサバサになっていることがある。

いわゆる寝癖。

私は短髪なので、あまり寝癖がついてる!という感じにはなりにくい。

起きたら顔を洗うのと同時に、洗面台の蛇口をシャワーに切り替えて、頭から水をかぶってバスタオルでぐしゃぐしゃーっと拭いて、お出かけの準備完了。

ドライヤーを使わないでいいくらいの髪の長さが楽だし好きだ。

あ、そうですか、と私のことはどうでもいい。

ヘアースタイルを含め、ファッション系のことについては、まったく分からないのだが、嫁の髪型は?と聞かれると、たぶんショート、と答えるのが妥当なんだと思う。

いや、そんなことを書こうと思ったんじゃなかった。

嫁の寝癖で、横にピコっと跳ねているとき、私は「発芽米」と呼ぶ。

頭の真上にぴょんと立つような感じのときは「しずくちゃん」としているが、これはなかなか出ない。

そして、バサバサになっているとき、これはよくあるが、いろいろな呼び方があるが、あるとき「ダーディーハリ子」とした。

そんなことを言ったっけなぁという感じなので、だいぶん前のことと思うが、その「ダーディーハリ子」というのが、どういうわけか嫁の印象に残ったようなのだ。

いずれにしても、どの名付けも、端的に言ってしょうもなく、なんのフィルターもかけずに、口をついて出ているだけのものだが、なぜか「ダーディーハリ子」。

ダーディーハリーは、クリント・イーストウッド主演の映画。

主人公のハリーは、直情径行、意味は、感情のまま行動する、ということらしく、嫁の寝癖の縦横無尽の様子をパッとそう言い表したのだろうと思う。

それにしてもくだらん…

「『ダーディーハリ子』とか、なんでそんなん言うん?」

という嫁の言葉には、私としては、嫁が、嫌がっているふうでもなく、呆れている感じもなく、また、本当に理由を知りたがっている、というわけでもなさそうに思える。

どういう気持ちで言うんだろう。

そして、私は、なんでそんなことを言うんだろう。