
ヨガ


嫁は風呂上がりに、バンダナのような感じで、頭にタオルを巻く。
それに使用するタオルの素材には、こだわりというか、適しているものがあるらしい。
よく粗品とかで頂くことのある、薄手のもので「◯◯工業」とか「◯◯建設」といったプリントがされているようなやつ。
パッと見、家の補修なんかをしている現場の作業人たちのような装いである。
私 「タオルの淵から髪の毛がもれてるわぁ(笑)」
嫁 「それの何が面白いの?」
私 「新生ガンスアンドローゼスや(笑)」
嫁 「はぁ」
私 「さしずめ俺はスラッシュやんけ」
嫁 「うん」
私 「しゃなななななななにぃ~!」
嫁 「・・・ジャングルのやつ?」
ほとんど私が酔っぱらってぺらぺら喋っているだけ。
そんなことでも、ときどき嫁は合いの手を入れてくれることがある。
そんなやりとりを延々とやってるのも、夫婦の形のひとつでもあるよなぁと。
嫁ブログをやり始めて気がつくとひと月以上が経過している。
松山千春さんの歌じゃないが「振り返るにはまだ若い」かもしれないが、世の旦那さん方にも、オススメできるところがあるんじゃないかと思ったりする。
いや、自分のプログをオススメするわけではなくて、世の旦那さんも、ブログでもノートでもいいので、嫁なり子供なり親なり兄弟姉妹なりのことを書いてみる、ということって結構有益なんじゃないかと。
より近しい人を対象にするのがいいように思う。
自分が相手をどう見ているか、相手に対してどう感じているかを、客観的に見てみるキッカケになるんではないかと思うのである。
私の場合は、常に身近にいる存在が嫁なので「嫁ブログ」にしたのだが、そういう存在にまつわる事を、なんらかの形でアウトプットする作業をすることで、普段は気づいていないことに気づける感じがする。
そのためには、あまり盛り上げ過ぎたり、大げさにし過ぎたり、それこそウソを書いていたら意味がない。
ブログとなると匿名とはいえ公開しているわけで、人様に見せる形なのだから、全くそれを意識しないわけではない。
できれば読んだ人がほんの少しでも面白かったらええなぁという意識は、ちょろっとは入っているかもしれない。
その割には、これの何がおもろいねん…という内容ではあると思うが…。
それでも、嘘だけは書かないように、というルールにしてこうやって書いていると、後から読み返したときに「あぁそんなことあったなぁ」とか「へ〜そう思っていたんだなぁ」という感じで読む。
あと、今のところ文句などを書くつもりはない。
出来れば、相手に対する不満のようなことは、対峙して言えた方がいいと思うからだ。
それに、文句は文句を呼ぶ気もするので、もし文句を書くときは、全体の記事の、消費税率未満くらいを目安にするのがいいかな、とか。
相手に対する文句なし、という状態は、長いスパンで考えるとなかなか難しいことかもしれない。
でも、ぶつかるところはぶつかりながらやって行くということこそ、せっかく夫婦で暮らしている意味がある感じもする。
最近読んだ、樹木希林さんの「一切なりゆき」にあるような、夫婦のマジぶつかりはなかなかできん…というかそこまでの強烈さは、性格的にも我々にはなさそうだけど。
こんなブログでも、いろいろと自分なりに、相手との関係について思いを巡らせるキッカケを持つことは、新しい気づきを得られたりして、思いのほかメリットのあることじゃないかと。
そんなことを思った日。
ふと気がつくと、嫁があぐらをかいたような形で座りながら、うつむいている。
悩み事でもあるのか、何かあって落ち込んでいるのか、あるいは座ったまま寝てしまっているのか・・・
いつもながら、何か私にとって面白い行動をとるかもしれないと思いつつ、しばらく静かに見守っていた。
ゆっくりと顔を起こし、私に見られていることに気づいた。
そういうときは、
嫁 「なによーまた見てニヤニヤして」
などと言うこともあるし、
嫁 「もうまた見てたん?見んといて!」
という場合もある。
しかし、今回はすぅ〜っと私の方を見つめるだけだ。
なんやなんや、離婚話でも持ち出されるんと違うか・・・とまでは思わんにしても、どうしたんだろうと見つめ返していると、数秒あって独り言のようにこう言うのである。
嫁 「いつのまにこんなに下腹が出たんやろう・・・」
私は吹きそうになるのを堪えていたが、続けて、
嫁 「私に断りもなしに・・・」
とつぶやいた。
しばらく無言で2人で顔を見合わせていた。
まぁ、断りはなかったかもしれないが、自分で徐々に育てあげてきたものなのだろうと思う。
私はそんなに気にはしていないが、嫁も女性であるわけで気になる時もあるようだ。
私としては、嫁に細くなってほしいと思ったことはないけど、嫁本人が細くなりたいのなら、そうなったらいいなとは思う。
いま現在も、世界最速の男は、ウサイン・ボルトで合ってるんですかな。
我々夫婦にとっては、カール・ルイスで止まっている、とちょっと前に書いた。(過去の記事「世界で最も速く走る男」)
嫁がボルトの名前を思い出せず、ヒント出したりして当てるというやりとりをした。
私は、ボルトのヒントに、ホームセンターで売っているもの、と言い、嫁は「ドリル!」「釘!」と回答していて、最終的に正解にたどり着いた。
後からその話をしていて、嫁はこう言っていた。
「私が『釘!』って言ったとき、よくあんな普通におれたよなぁ。私やったら『うわぁー!近い近い!あー!めっちゃ惜しい!』とか言うてまうわ!」と。
嫁は普段、どちらかというと声も大きい方ではなく、テンションも高い方でもなく、見た感じはおっとりというのに近い雰囲気の人だと私には見える。
ただ、先日のボルトのやりとりのような、ちょっと楽しめそうなキッカケがあったときには、本能的に、面白さをプラスして楽しむ、という能力を発揮しているような感じがする。
決して大げさな喜び方、面白がり方をする感じではない。
うむ、確かに嫁は、話を大げさにするタイプではないし、盛ったりすることもない。
だが、ちょっと動力を付与すると、補助エンジンを自動的に発動させているというか、そうだ、ヤマハのPASのような動力源を持っているといったところか。
概して単純、真っ直ぐな印象を私に与えている嫁なのだが、この、楽しみの自家発電的な反応のメカニズムは、まだ解明されていないのである。