
体重 2021.04


蕎麦屋で卵をいつまでも混ぜてるおじさんにハマっていた
私「今日の昼飯どうする?」
嫁「あーどうしよう♪」
私「あそこのそばとかどない?」
嫁「あ、そうしよ!」
ということで、ちょくちょく行く蕎麦屋さんに向かった。
嫁はぶっかけ蕎麦のあったかいの、私は柚子鶏そばの大盛り、ほぼいつも通りの好きなメニューと、天ぷらを足す。
さて食おか、頂きます。
しばらくして、何やら二軒隣くらいから、かちゃかちゃと、何か混ぜるような音が聞こえ出した。
ふと、その方向を見ると、嫁が下を向いている。
どうしたんやろう…と思いつつ、えらい長いことかちゃかちゃしてるなぁと、二軒隣を見てみると、卵をひたすら溶いているおじさん。
どうやら、初期から卵を溶いているおじさんの音を聞いていた嫁が、ハマってしまったようだ!ということは、直感的に理解した。
私「うん、分かる」
嫁「喋らんといて…」
私「…」
嫁「あかん…泣けてきた…」
嫁の顔は赤く熟れ、目尻からは涙。
さすがの私も、ここで追い討ちは酷かもしれんと、控える。
まるで、ボクシングの試合である。
嫁「ちょっと落ちつかして…」
いや、私は二軒隣の人の卵溶くのが長いなぁと思うだけやが、お隣の嫁はキツかったようだ。
涙する嫁。
いじりたいが我慢する私。
いやぁ…戦いというのは、奥が深いものだなぁと、改めて思うのである。
嫁の感覚は、鋭いところがあると思う。
私がモワモワ…じゃなくて、何となくモヤモヤしてて話をしたときに、ふと嫁が言ったことが、すとんと私に入ってくることがちょくちょくある。
何か、形からじゃなく、彼女の持ち前の?感覚のところから出てくる?言葉とか雰囲気とかに、時々救われているところが、少なからずあるように思うのだ。
そんなことをまじまじと嫁に話したことはないと思うが、酔うたノリで?そんな感じのことを話していたときやったか、
私「あぁそういや、中学くらいのときから、ダウンタウンが面白いなぁと思ってた言うてたなぁ」
嫁「うん、なにこの人ら、オモロ!って」
私「要するに先見の明があるんやろうなぁ」
嫁「分からへんけど、面白いなぁと思ってたらどんどん有名になった」
私「それ、先見の明と言えるんちゃうん?」
嫁「それは分からんけど面白かったし…」
私「俺と結婚することにしたのも、そういう先見の明が働いたんやろうなぁ」
嫁「そうかも。最果ての地」
私「え、ちょっと待ちいな。『最果て』て、その言い方やったら次がないやないかい」
嫁「あはははは!」
私「『あはははは!』やないで…。俺との生活でも次の展開も見ようやぁ…」
嫁「あはははは!」
というやりとり。
嫁は、鋭いというか、裏表がないというか、天真爛漫というか、また、一緒にいて、楽しくもあり、もちろんギクシャクすることもあり、なんやかんやで、交際からすると30年ほど、やって来れているんですなぁと、ふと。
I’ll take you just the way you are〜♪ とかなんとか言うて。
嫁の「先見の明」が、吉と出るか大吉と出るかは、2人次第なのです、ということで。

最近でこそあんまりなくなったと思うが、私は結構前から、早く大人になりたい、と思っていた。
「早く大人になりた〜い」言うて、妖怪人間、ベム、ベラ、ベロの「早く人間になりた〜い」でもあるまいしねぇ。
嫁に対しても、ときどきそういうことを口にしていた時期もあったか。
なんだか自分がいつまで経っても根無草というか、フワフワしているというか、地に足がついていないような、そんなふうに思うところがあって、しっかりしたい、ちゃんとしたい、そして、大人になりたい、という感じか。
あるとき、なんの話をしている時だったか、
私「あぁ大人になりたいわぁ」
嫁「どういう意味?」
私「なんかしっかりしたいというか…」
嫁「大人ってなに?」
私「あ、なんやろ…ちゃんとしたいというか…」
嫁「あんまりヨシらしくないわ〜」
とか何とかやりとり。
言われてみれば、私はどうなりたいと思っているんだろうと、改めて考えさせられたのであった。
年を重ねていくと、もう少し自分は、(何だかわからないが)大人になるもんだと思っていた感じなんだが、いつまで経っても、良くも悪くも、ヨシオはヨシオであって、タマコはタマコなんだよなぁと。
あ、そうそう、「吉と出るか、大吉と出るか」を応用すれば、いつまで経っても相変わず、良くもすごく良くも、ヨシオはヨシオ、タマコはタマコなんだよなぁと。
はっきりとした答えが出ないことを、あれこれ考えるクセがある私だが、ときどき嫁と話をすると「ま、ええか」とほぐれたり、妙に納得する意見が聞けたりすることがあるのだ。
ん?
大人というのは何たるか、は置いておいて、私が、しっかりしたい、ちゃんとしたい、と望むことは、ヨシオらしくないと?
今のままでOKという解釈で…