嫁の相づち

夫婦の会話、という話から、ふと思い出したことがある。

自分たち夫婦は、会話と言えるのかどうか分からない、他愛のない言葉を交わしているか、単にふざけ合っているだけ、という感じで、内容は本当に思い出すのが難しいくらいだ。

それでも、「夫婦でどんな会話してる?」と聞かれたときに、「たとえば・・・」と答えられるようなものがないものかと考えていると、気づいたことがある。

私のしゃべることは「99%しょうもない」と言われていることは書いたが、そういえば、嫁の返事がいわゆる「生返事」という感じのときが結構ある。

私「〇✕△でやな、◇✕🔳※となったんや」

嫁「うん、うん」

これだけ見ると、甲斐甲斐しく聞いてくれている、見方によれば、同意までしてくれているようにも見える。

面倒くさそうな相づちに聞こえたこともあんまり記憶に無いが、ただ、どうも話に注意を向けていない感じがあったときに、ちょっと試しにこういう聞き方をしてみた。

私「〇✕△でやな、◇✕🔳※となったんやわ。どない思う?」

嫁「うん、うん」

・・・ 会話はキャッチボールとも言われるのに、雰囲気的には、私が投げたボールを棒立ち状態で見過ごしているような。

確認のため、

私「聞こえてる?」

嫁「ん?」

私「なぁ、俺いまなんて聞いた?」

嫁「あ、ごめん、聞いてなかった!ははは!なんて?なんて?」

私「いや、まぁいいわ、しょうもないことやし」

嫁の良いところ(?)のひとつは、聞いていなかったことを隠すのではなく、そのまま認めるところだ。

いわゆるゴマカシみたいなことがない、というか、出来ないタイプだと思う。

・・・いやいや、嫁を褒めるコーナーではなく、やっぱり聞いていないことが分かった。

長年付き合っているために、私の話のしょうもない部分である99%を、聞いていないけれども聞いているように振る舞える「スキル」を身につけたのだ。

こういう会話?は、結構日常的にしているように思う。

でも、私の方も、嫁から「自分って人の話あんまり聞いてへんよね」と言われることがあるのも思い出した。

我々夫婦は、本当に会話ができているのかはハッキリしないが、こういうやりとりはしていると言えそうです。