眠りと覚醒の狭間で…

朝、私の方が先に起きたとき、嫁の様子を眺めたりすることがある。

「寝とるなぁ…」

と。

あるいは、先に寝室を出て、コーヒーでも飲みつつ、パソコン開いてメール見たりして、ひと段落して、ぼつぼつ起こそうかと寝室に戻り、足の指をつまんでみたり、頬ずりしてみたり、起きかけたら「起きるぞー」と、足を引っ張って布団から引っ張り出したりする。

また、梨やら林檎などがあるときは、それをひと口大に切って寝室に持っていき、口元にくっつける。

初めはびっくりするが、食べ物だとわかると口を開け、口の中で数秒ふくんだ後「しょり…しょり…しょり…」と食べる。

これを2、3回繰り返すと、眠りの世界から、徐々にこちらの世界、言葉のある世界へ戻ってきて「おいしい…」と言う。

また、寝言ではなく、夢で見たことをつぶやくときもある。

このときは、結構起きている状態だと言えるだろうが、いわゆる寝ぼけている感じ。

先日はどうも、人魚になってる夢を見ていたようだ。

私が例のごとくくっついていくと、例のごとく寝ぼけた様子で会話が始まった、

嫁 「人魚になってて売られた・・・」

私 「クロールでもして泳いでたんか?」

嫁 「・・・魚やのに?」

私 「(笑)人魚って魚なん?」

嫁 「・・・足 魚やん・・・」

私 「(笑)人魚のあれって足なん?」

嫁 「・・・・・」

ここで会話は途切れた。

あまりにしょうもない?身のない議論だったためか、また、眠りの世界へ戻っていってしまったようだった。

私はあまり、寝ぼけた状態というのがおそらく少なく、寝ているか起きているか、の区別がつきやすいタイプだと思う。

嫁は、眠りと覚醒の狭間に滞在することができる、という特技を持っているのだろうと思う。