ビュッフェ

先日、久しぶりに旅行に出かけた。

ここ1年くらいかなり忙しくて、純粋に遊びらしい遊びをしていなかったし、気分転換も必要だろうと、結婚19周年という名目をつけて出かけた。

旅行へ行くときは、だいたい嫁がどこへ泊るかなどの段取りをしてくれる。

私はそういうのが苦手というわけではないが、途中で面倒に、というと語弊があるが、まぁどこでもいいや、と適当に決めてしまうところがあるように思う。

だいたいそういうことは嫁に任せておいた方が、良いところを選んでくれる感じがある。

今回もどこへ行くかなどは晩酌のときにちょっとだけ話して、とくにそのときに決定はせずに、嫁にお任せ。

いろいろとめぐる場所などを話したようにも思うが、最終的に宿だけ決めて、あとはどこに行くかなどは未定のまま出発。

決めたことを強いて言えば、行く途中で、借りているレンタル漫画を返しにツタヤへ寄る、ということくらいだった。

とりあえず向かう。

皆さんどうか分からないが、私はサービスエリアが好きだ。

不必要に停まりたくなる。

フードコートも好きだし、屋台みたいなのが好きだし、何しろ、旅の感覚を楽しめる。

結局、我々の旅行というのは、行き先はどこでも、旅行をしていることそのものを楽しむところがあるのだろうと思う。

それと私が好きなのは、ビュッフェ。

この言い方も最近やっと馴染んだが、自分がよりなれている言い方はバイキング。

でもここでは、生まれ変わった私としてビュッフェと言おう。

嫁に宿を決めてもらうとき、ビュッフェのあるところ!と頼んだりすることがよくあったな。

ビュッフェの好きなところ、

好きな料理を選べて、少量の試し食いができる。

好きな量だけ取って来れるので、足りないということがない。

ウェイトレス、ウェイターに頼まなくて良く、自分のペースで食事ができる。

など、まるで、メリットだらけであるかのようだ。

とりあえず、1回目、2回目くらいは、並んでいる料理をひと通りは食べて、3回目以降くらいで気に入ったものを取ってくる。

お互いにとってきた料理を食べつつ、
「それどこにあったん?」
「これオイシイで」
などと言いながら食べる。

これまでの旅行は、だいたい夜はコース、朝がビュッフェ、というパターンが多かったが、今回は朝夕ともにビュッフェだった。

嫁があえて選んでくれたのかもしれない。

ビュッフェでデメリットがあるとすれば、食い過ぎることだ。

今回の夕食ビュッフェは、お腹が張り過ぎてちょっと痛い…というくらいになってしまった。

夕食後に部屋で晩酌をしようと、宿に着く前にコンビニで買ってきて冷蔵庫で冷やしておいたビールも、もう入らない状態だった。

それでも人間とは不思議なもので、朝にはお腹が空いていて、朝食ビュッフェにテンションがあがる。

昨夜の過ちをフィードバックして、少々控えめを意識して。

私は軽めに3回取りに行った。

嫁もラストということで立ち上がり、ニコニコしながら帰ってきたときのお盆をみると、ご飯とみそ汁、という2品だった。

今回の宿、ビュッフェ用のメインのお皿は、30cm角くらいのサイズで、3×3の小さなお皿が繋がったような形になっていて、いろんな料理をちょっとずつ載せられるようになっていた。

そのちょっと変わった、ビュッフェにはとても便利な皿を使わずに、茶碗を2つ用いて、ご飯とみそ汁、だ。

お盆をみたときにとっさに「侍の食事」のように見え、笑顔で持ってくる嫁に笑ってしまった。

侍と嫁。

少なくとも嫁には、容姿として「侍」という雰囲気はみじんもない。

お互い様の頑固さみたいなものは持っているが、その頑固さはどちらかというと「牛」だろう。

テコでも動かんというか?

寝ているときなどはまさに「牛」だ。

ともかく、今回の旅のビュッフェでは、私にとっての新しい嫁の図、

「侍の食事をする嫁」

というイメージが生み出された。

こういうことで楽しんでいるのだから、場所はどこでもいいし、世話ないなと・・・