嫁から教えてもらった漫画で「カバチタレ」という作品がある。
原作:田島隆 、作画:東風孝広、監修:青木雄二。
行政書士が奮闘する物語。
青木雄二さんと言えば「ナニワ金融道」が有名だと思う。
どちらも嫁から教えてもらった作品だ。
嫁は漫画好きだが、読んでいる漫画のジャンルが多岐に渡るのではないかと思う。
女性が漫画を読む、ということを想像すると、恋愛もの、女性の仕事、家事育児、といったものがテーマになっているもの、というのが、私にはパッと思い浮かぶ。
もちろん嫁は、そういうのも読んでいるようだが、こと「ナニワ金融道」とか「カバチタレ」といった類のものは、ちょっと路線が違うものだろう。
今や、男も化粧をするのだから、あらゆることで、男性用、女性用という概念自体がなくなってきているのかもしれないな。
ところで、いつぞやの晩酌のときに、カバチタレのシリーズのある回の話が出てきた。
離婚した夫婦がいた。
子供が一人いたが親権は元嫁。
元夫は子供に会いたくてしかたがなかったが、元嫁は会わせてくれない。
しばらくして、それぞれに新しい彼氏、彼女ができるが、元嫁の彼氏は暴力的。
そんな状況から元嫁も、暴力彼氏の感覚に近づいてきてしまう。
元嫁としては子どもが邪魔になる。
そこで、元夫が子どもを引き取ろうかという話が出る。
ところが、こちら側でも問題が発生。
元夫の彼女が、それはイヤだと。
(あぁ、しんど)
子どもが、そっちのけ状態になってしまっているのを見かねた元夫方のお祖父さんが、その子ども(お祖父さんにとっては孫)に、2000万円の遺産を相続させることにしていたそうな。
それが知った、元嫁と暴力彼氏、そして、元夫の彼女。
双方がうちで預かろう、と子どもを獲り合うことに。
・・・・・
いやぁ、ほんまにこんなことがあり得るんやもんなぁ・・・
悲し過ぎる。
これは漫画のストーリーではあるが、ちょっと前に読んだ青木雄二さんのエッセイに、作品で描写しているようなことは「掃いて捨てるほどあることなんや」とのこと。
漫画の話をしてくれただけだったのだが、私の方が腹立ってきて、嫁の話の途中でいろいろと「それはアカン!」「なんやそれ!」などとごちゃごちゃ言っていたように思う。
漫画でも小説でも映画でも、ある程度、感情移入しないことには面白くないと思うが、酔っぱらってくると、私はその傾向がさらに増して、そのときの感情をそのまま出しがちだ。
こういう話の中にも、お互いの考え方、価値観というものが見え隠れしたりするのかもしれない。
この日の私のセリフに対し、嫁はどう思ったのだろう。
翌日も、とくに敬遠されている雰囲気はなかったので、ショックだったとか、びっくりした、ということはなかったのだろうと思うが。
いやぁ、いろいろ考えさせられます。
しかも自分がこの話の登場人物の立場だったら、今考えているような行動を取れるのだろうか、など…
漫画は、COOL JAPANのジャンルかもしれないが、萌え系よりは、カバチタレとかナニワ金融道とかの方が、私は染みるなぁ。