ホームセンターに行ったときにふと目に付いたのは、珪藻土でできたコースター。
最近けっこう珪藻土製の品物を見かける気がする。
そういえば、風呂上がりに乗っかるマットとして、珪藻土の板がうちにあるなぁ。
確か義母からオススメだということでもらったものだったんじゃないか。
今は、よく水を吸うし乾くのも早いという、イソギンチャクが平べったく並んだみたいなマットが置かれている。
私は、そういう生活用品について大したこだわりもなく、用が足せていればそれでいいという感覚だからか、ほとんど嫁が決めているし、とくに文句もない。
書きながらあの珪藻土の風呂場のマット?板?思い出したんだが、あれを使っていない理由は何かあるんだろうか。
冬の間は若干ひやっとする感じもあるか。
まぁ嫁が気に入った方を使ったらいいと思う。
ところで、珪藻土コースター。
私は、コーヒーやらお茶やら、ときにはビールやらを飲みつつ、自分の机に置いてあるノートパソコンで、調べものをしたり、作業したりする。
ホームセンターで見かけた珪藻土コースターを見て、それを使いたいなと思った。
あんまりものを増やすのも好きじゃないし、無駄遣いかなぁと思いつつも、珍しく欲しい気持ちが湧いてきていた。
しばらく迷いながら、そういえば100均でも見かけた気がするぞ?と思い、買うならそうしよう、などと考えながら、色合いなどを吟味していた。
ふと横を見やると、サンプルとして、珪藻土の板と、霧吹きが置いてあった。
風呂場マットで珪藻土の能力は知っているのだが、何となく、霧吹きを持ってサンプルの板に吹きかけて、うん…確かによく吸いとるし乾くのも早いなぁ、と蒸発する水分を眺めていた。
そして、よし、100均で買おう!と決心してその場を離れようと珪藻土から背を向けたとき、目に入ったのはニヤニヤした嫁だった。
けっこう長いこと珪藻土コースターを見ていたはずだが、どうもかなり前から私の行動を観察していたようだ。
「なんか一生懸命に見てるから面白かったわぁ」
とのこと。
別に後ろめたいことはないのだが、何となく恥ずかしいような?見んといて!と言いたくなるような感じも。
でも考えてみると、私自身、嫁が私に見られているのを気づいていないときにとる嫁の行動を、面白いと言って笑うことがよくある。
そんな話をしたときには、たいがい嫁は、
「それの何が面白いのん?」
「生きてるだけで笑われる」
と言う。
私が何気なく珪藻土コースターを見ていたのを、面白がって眺めていた嫁。
ちょっと私がこれまで面白がっていた気持ちが分かったのではないだろうか。
反対に私の方は、嫁が言う「それの何がおもろいねん」という嫁の気持ちも分かったような気がする。
珪藻土コースターが、夫婦間の理解度をいっそう深めるのに役立つとは、40年以上生きてきて初めて知った瞬間であった。
そして、そんな話を携えて、108円の珪藻土コースターが我が家の仲間入りを果たしたのでした。