ルネッサーンス!

先日の朝刊に、お笑いコンビ「髭男爵」の山田ルイ53世さんの書いたコラムが載っていたようで、嫁が持ってきてくれた。

知っている人?見たことある?という人多いと思うが、貴族漫才とか言われていたっけ、「〇〇やないか~い!」とワイングラスで乾杯しつつ突っ込むスタイルのネタをやっていて、一時期、かなりテレビでも活躍されていた。

コラム、面白かった。

同年代ということもあって、勝手にいろいろと想像したりして、書いた本人の意図とは違うとは思うけれど、考えさせられることもあった。

それでも、家族とのやりとりのところを読んでいてホッコリする部分もあり、いい感じだなと思う。

連載が続いて、本にもなって、売れたらいいよね、と。

そうそう、以前にも書いたが、嫁はお笑い好きだ。

当然、髭男爵のことは知っているし、2人でテレビで見て笑っていたことももちろんある。

ダウンタウンの「笑ってはいけない」でも、メンバーが始めに施設に到着して、局長のような人にあいさつに行くパターンで、その役が松方弘樹さんだったか、新しいメンバーに「かんぱい!」という感じだったか、言おうとしたときに、助手の女性が「かんぱ~い!」と言ったものだから、松方さんが「お前がやるんか~い!」と突っ込むシーンもあったな、とか。

そんな髭男爵、だいたい目立っていたのは、山田ルイ53世さんの方だったのではないかと思う。

相方は、ひぐち君。 だいたい漫才コンビが売れ始めるときは、どちらかの人気が出るということが多い気がするが、当時はそうだったんじゃないか。

山田ルイ53世の「〇〇やないか~い!」のツッコミで笑う、というのが一般的な見方だったと思うが、その当時、嫁は「あたし、結構ひぐち君のケタケタした感じの動作も好きやねん」と言っていたのを思い出す。

個人の笑いのツボというのは、なかなか的確にその位置を捉えるのが難しいものだろうし、しかも言葉で説明すると、余計に分かりにくくなる感じがあり、あえて「どういうところが?」と聞くのもヤボだろう。

と思いつつも最近ちょっと聞いてみたが、案の定「そんなこと言ってたんや」と、自分の言ったことに他人事であった。

今となっては、ひぐち君の「ケタケタ笑い」?に嫁が何を見ていたのかは知る由もない。

また、過去の私の誕生日に、嫁がちょっと奮発してあるホテルで一泊予約してくれていたことがあり、いわゆるDinnerという感じの食事をとったことがあった。

嫁がワインを飲むのに合わせて、私は普段あまり飲まないが、私も注文し乾杯をした。

そのときに、「ルネッサーンス!」を使わせてもらい、陽気に食事したのを覚えている。

そういえばそのとき、2次会的な感じでラウンジで飲み直す流れになったものの、私はすでに機嫌よく飲み過ぎて、嫁からは「飲まんの?」と言われたが「あかん、眠い…」と寝てしまったようだ。

嫁はひとりで飲んでいたらしい。

何の話か分からなくなってしまったが・・・、そう、髭男爵メンバーのコラムが面白かったので、髭男爵まわりで自分らのことを書いてみたのだった。

スラッガー

先日買った珪藻土コースター、機嫌よく使っている。

ホームセンターの店頭で、効果お試し用に置かれていた珪藻土コースターと霧吹き、何気なく試していた私を見ていた嫁が「面白かった」と言った。(過去の記事「珪藻土コースター」)

私は、見られていると気づいていない嫁の行動を見て、面白いと思うことがよくあるのだが、嫁にもそれが理解できたのではないかと思っていた。

後日改めて聞いてみた。

私 「こないだのことで俺が何であんたのこと見て笑うことがあるかわかったやろ?」

嫁 「うーん、なんとなく」

私 「なんとなく?」

嫁 「うん…まだ芯では捉えてない」

・・・

スラッガーさながらである。

私のつまらん話を「芯で捉え」ようとしてくれているのだ。

ありがたい話である。

嫁を匂う

嫁が言っていたことだったと思うが、「におい」に対する感覚は、人の本能的なものであるということらしい。

「におい」を漢字にするときに、「匂い」「臭い」とあるようだが、前者の方は心地よく感じるときに使い、後者はその反対だということが、漢字変換するときの説明に出ていた。

確かに「臭い」と書くと「クサい」とも読めるみたいだし、そういう使い分けになっているのだろう。

人にもそれぞれ持っている「におい」があって、それは結構、その人固有のものではないかと思う。

私は香水の類はあんまり好きではないのだが、女性の場合は、おしゃれや身だしなみということで、香水をつけている人は多いだろう。

それこそ、ささっとすれ違ったときにふわっと香るくらいなのは、むしろ好印象を持つことはあるかもしれないので、否定するつもりは全くないが、私個人としては、別につけなくていいのじゃないかと思ったりする。

香水までつけなくても、洗濯物の洗剤のにおいとか、シャンプーのにおいとかで十分な気がするのだ。

とはいえ、さすがに、すれ違ったときに「くっさ!」となるくらいなら、ちょっと香水でもつけていた方がいいのかもしれないが、そこまでになるには、相当の期間、風呂に入らないなどしないといけないだろうし。

勤め先とかに、まさに獣のにおいを発しながらうろうろしている人なんて、そうそういないですもんね。

そう、いずれにしても、香水のにおい、洗濯物のにおい、シャンプーのにおい、などなど、ふわっと匂うのは感じがいいとは思うものの、それは、市販のものであって、その人じゃなくてもその香りは出せるわけで、においに注目する場合、その人じゃなくてもいいことになる。

ところで、私は、嫁のにおいが好きである。 自分にとっては良い感覚なので「嫁の匂い」と書くのがいいのだろう。

もともとそんなことをずっと感じてきていたわけではなかったと思うし、匂いが好きだから付き合った、匂いが好みだったから結婚した、というわけではなかったはずだが、気がつけばよく嫁を匂っている。

嫁が本を読んでいるとき、パソコンをしているとき、寝ているとき、いろんなときに、背中を匂ったり、こめかみ辺りを匂ったりする。

寝ているときなどは、ほとんど動かないので匂い放題、狙い時である。

面白がって「あんたの体臭好きやわ」と言うと、「『体臭』っていわんといてよ、クサいみたいやん」と言われる。

確かに、「体臭」で使われる漢字は、クサい方の漢字なんだな・・・体臭よりもいい表現の仕方があればいいが。

エスカレートして、靴下を狙うこともあった。

さすがに「イヤや」「ヤメて」「変態やん」などと言う。

その理由は「クサいから」ということだが、「クサいかどうかはこっちが決めること」「もしクサかったとしても、それは私がクサいだけであって嫁には被害がないことだ」と主張するも、「なんかイヤ!」とのこと。

こうして文字に書き起こしてみると、確かに私が変態の様相を呈しているようにも思える。

ただ、とくに靴下を好物にしているわけではないし、嫌がる嫁の靴下を奪いとって匂おうとも思わないので、最近はそれは控えている。

そんなこんなで、よく嫁を匂う私だが、それによって、「安心感」や「落ち着き」を得ている感じがする。

いつも匂わせてくれてありがとう。

これからもよろしくお願いします。

珪藻土コースター

ホームセンターに行ったときにふと目に付いたのは、珪藻土でできたコースター。

最近けっこう珪藻土製の品物を見かける気がする。

そういえば、風呂上がりに乗っかるマットとして、珪藻土の板がうちにあるなぁ。

確か義母からオススメだということでもらったものだったんじゃないか。

今は、よく水を吸うし乾くのも早いという、イソギンチャクが平べったく並んだみたいなマットが置かれている。

私は、そういう生活用品について大したこだわりもなく、用が足せていればそれでいいという感覚だからか、ほとんど嫁が決めているし、とくに文句もない。

書きながらあの珪藻土の風呂場のマット?板?思い出したんだが、あれを使っていない理由は何かあるんだろうか。

冬の間は若干ひやっとする感じもあるか。

まぁ嫁が気に入った方を使ったらいいと思う。

ところで、珪藻土コースター。

私は、コーヒーやらお茶やら、ときにはビールやらを飲みつつ、自分の机に置いてあるノートパソコンで、調べものをしたり、作業したりする。

ホームセンターで見かけた珪藻土コースターを見て、それを使いたいなと思った。

あんまりものを増やすのも好きじゃないし、無駄遣いかなぁと思いつつも、珍しく欲しい気持ちが湧いてきていた。

しばらく迷いながら、そういえば100均でも見かけた気がするぞ?と思い、買うならそうしよう、などと考えながら、色合いなどを吟味していた。

ふと横を見やると、サンプルとして、珪藻土の板と、霧吹きが置いてあった。

風呂場マットで珪藻土の能力は知っているのだが、何となく、霧吹きを持ってサンプルの板に吹きかけて、うん…確かによく吸いとるし乾くのも早いなぁ、と蒸発する水分を眺めていた。

そして、よし、100均で買おう!と決心してその場を離れようと珪藻土から背を向けたとき、目に入ったのはニヤニヤした嫁だった。

けっこう長いこと珪藻土コースターを見ていたはずだが、どうもかなり前から私の行動を観察していたようだ。

「なんか一生懸命に見てるから面白かったわぁ」

とのこと。

別に後ろめたいことはないのだが、何となく恥ずかしいような?見んといて!と言いたくなるような感じも。

でも考えてみると、私自身、嫁が私に見られているのを気づいていないときにとる嫁の行動を、面白いと言って笑うことがよくある。

そんな話をしたときには、たいがい嫁は、

「それの何が面白いのん?」

「生きてるだけで笑われる」

と言う。

私が何気なく珪藻土コースターを見ていたのを、面白がって眺めていた嫁。

ちょっと私がこれまで面白がっていた気持ちが分かったのではないだろうか。

反対に私の方は、嫁が言う「それの何がおもろいねん」という嫁の気持ちも分かったような気がする。

珪藻土コースターが、夫婦間の理解度をいっそう深めるのに役立つとは、40年以上生きてきて初めて知った瞬間であった。

そして、そんな話を携えて、108円の珪藻土コースターが我が家の仲間入りを果たしたのでした。