自宅バーバー

ここ何年もとんと床屋さんに行っていない。

と言っても私は、一般的な勤め人であって、仙人とか?ギネスに載るような?ロン毛なわけではない。

髪型に大したこだわりがないのと、ジムなどに行って汗かいたとき、それに、普段でもわっさわっさしているのがうっとおしいので、短髪の方だ。

それこそもう10年くらいになるだろうか、ずっと嫁にバリカン&ハサミで刈ってもらっているのだ。

それより前は、店で散髪してもらっていたのだが、店員さんに「どうされますか?」と聞かれても「短くしてください」くらいしか言えない。

みんな、とくに男性の場合、普通は何と言っているんだろうと思う。

大学までは実家暮らしで、行きつけの床屋さんでやってもらっていたので、私が座ったら「いつもの感じでいいね?」「ちょっと短めで」くらいで良かった。

しかも、中学生まで私は丸坊主、マルコメちゃんだったので、座るだけでよかったし。

社会人になった当初は、数年ごとに引っ越ししていたこともあったろうけど、固定の床屋さんが出来ることはなかった。

結婚してからしばらくは、ある程度長く同じところにいることもあり、流れ作業でやってくれるプラージュとか、駅やショッピングモールなどにあるQB House?といった1000円散髪などで刈ってもらっていた。

それでも「どうされますか?」に対する答えには、いつも戸惑ってしまう。

あと、出来れば待つのも嫌だし、刈ってもらっている間の世間話とかが面倒だったりもして「ぼつぼつ散髪行った方がええねんけどなぁ…」と、いつも億劫だった。

そこへ、ふと家電屋さんで見かけたバリカン。

「これや!」と思い購入して、嫁の同意のもと刈ってもらうことにした。

でも、嫁は人の散髪などしたことがなく、初めは躊躇していた。

嫁 「大丈夫かなぁ…?ええのかなぁ…?」

私 「いざとなったら丸坊主にしたら大丈夫やし行って行って」

と言う具合に、恐る恐るやってくれていた嫁だが、慣れてくるもんだ。

何年前だったか「明日散髪してくれん?」「いいよ」と晩酌のときにお願いした翌朝、嫁はなかなか起きて来ず、足を引っ張って無理やり起こして、散髪を促した。

そして、風呂場の自宅バーバー開店。

私の頭にバリカンを入れる嫁。

ジョリジョリジョリジョリ〜

私 「なんかいつもよりよう切れてへん?」

嫁 「ふぇ?そう?」

私 「落ちてくる髪の毛が長いし」

嫁 「あ、バリカンの長さ設定が間違ってるわ…眠いからやな」

かつての恐る恐るはどこへやらである。

次の週末も刈ってもらおうと思っている。

私 「次の土日どっちかで散髪頼める?」

嫁 「いいよ」

私 「散髪のときはアンタが触ってくれるから嬉しいしな」

嫁 「ぷ…なんじゃそれ(笑)」

ということでお願いいたします。