ラップ

食べきれなかったものを冷蔵庫に入れるときや、温め直したいときなど、器にラップをかけると思う。

ウィンナーなんかをレンジで温めると、たまに「ボン!」とか言うて破裂することがある。

そうなると、レンジの内壁に油が飛んだりするので掃除することが増える。

まあ、そんなもの拭けばいいのやが、皆さん器にラップをかけるとき、どういうふうにかけているのだろう。

普通はどうするもん?という質問自体がナンセンスかもしれないが、たいていの人は、ラップを使うとき、器が全体がカバーされるようにかけるんじゃないか、と私は思っている。

先日、勤め先から帰って冷蔵庫を開けると、ラップのかけた器があった。

嫁が昼に食べて、食べきれんかった分を置いておいたんだな、これも晩酌の一品やなと思い、冷蔵庫から取り出した。

よく見ると、端っこの方にはラップがかかっていない。

浅めの丼くらいのサイズの器、直径20センチくらいのもので、ラップのかかっていないのは1〜2センチくらいの範囲だろうか。

ふと、聞いてみた。

私 「冷蔵庫に残してるやつ、ラップちょっと開けてんのはなんでなん?」

嫁 「へぇーそんなんなってた?」

私 「あぁ、あえて開けてるわけじゃないんや」

嫁 「うん、違うよ」

私 「・・・」

嫁 「それがどうかした?」

私 「いや、普通ラップかけるときって全体にかぶせるようにかけへんか?」

嫁 「そう?」

私 「あれ、そうじゃないんか?」

嫁 「あんまり気にしてへん」

私 「いや、蒸発するとか匂いが出るとか付くとか、まぁ分からんけど気にならん?」

嫁 「そんなことが気になんねや」

私 「あ、気にならん?」

嫁 「うん、気にならん」

私 「そんなもんか」

嫁 「そんなもんよ」

なんやろ、この会話。

正否を議論するような話ではないが、会話をしながら、なにやら分身の術でも使われたような感覚になったのだった。

ドンキ

私 「こないだ俺、出張行ってたやん」

嫁 「うん」

私 「そんとき、チェーンやけどおいしくて安い店教えてもらったんやが、この近所にもあるみたいやから今度行こう」

嫁 「やったわ!出張も悪くないやん」

私 「以前に同じとこ出張したとき入ったドンキホーテは、なんや店員さんが少ないのか、めちゃくちゃ時間かかったの覚えてるわ」

嫁 「…」

私 「厨房でつくる人とウェイターの人、1人2役やってんちゃうかなと思うくらいやったわ」

嫁 「…」

私 「まぁちょっと人通りが少ない場所やし店員さんも少数でやってたんかなぁと思うけど」

嫁 「…」

私 「結局昼飯に1時間以上くらいかかったんちゃうかな、打ち合わせに間に合わんかと思うたで」

嫁 「…」

私 「…」

嫁 「…」

私 「どうかした?」

嫁 「ハンバーグの店?」

私 「そうそう」

嫁 「ドンキホーテ?」

私 「・・・あ、びっくりドンキーやわ」

嫁 「やんなー!」

私 「それでか、どうも反応悪いし、なんか気に触ることでも言うたかなぁと思うたかなと思うたで」

嫁 「ドンキホーテに食べるとこあったかなぁと思って考えててん」

私 「眉がハの時間になって止まってたし…そんとき言うてくれたらええのに」

というやりとり。

嫁は、私の話を文字通りに聞いてくれており、間違ってそうなことも、すぐさま訂正はせず、まずは自分で考えてみるようだ。

レモン 上か下か

前にも書いたが、今年の夏から我が家の晩酌に、レモンサワーが参入した。

それと同時に、レモンをよく買うようになり、かつてはほぼ買うことのなかったので、その消費量の増加率は無限大と言える。

買ってきたレモンは半円のスライスにして、皮ごと砂糖漬けにして凍らしたものをサワーに添える。

最近は砂糖ではなく、はちみつに漬けるようにしていて、その方がよく浸かるし美味しいようだ。

もともとは、お酒に添える目的で作っていたのだが、どうも、ちょっとしたときにその冷凍はちみつレモンをパクッと食べているようで、減りが早い。

たぶん週に2、3個? いや、もう少し消費しているのではないか。

私 「あんたレモン食べ過ぎちゃう?」

嫁 「レモンって体に良さそうやん」

私 「まぁそんな感じはするけど」

冷凍はちみつレモンを美味しくするためには、漬けてすぐに凍らすのではなく、2、3日は冷蔵で漬からせておいて、それから凍らすのがいいようだ。

ただ、それでは欲しいときに完成系の冷凍はちみつレモンがない場合があるので、最近は、漬けている最中の冷蔵のものと、冷凍まで行っている完成系のものと、2つのタッパーを使って回している。

そんなふうに仕込んでいるはちみつレモン、私も使うことがあるが、タッパーの下の方と上の方では浸かり方が違うために、当たりハズレがある。

なので、私が使うときは、よく浸かっている下の方から頂戴する。

嫁にも、タッパーの下の方からとった方が美味しいで、と話をしていた。

ところがある日の晩酌。

嫁 「うわ!全然浸かってないわ!苦い…これアカン!」

と言って、ティッシュに吐き出した。

私 「タッパーの上の方からとってたやろ」

嫁 「うん、とってた」

私 「前に言うたやん、下の方から取りやって」

嫁 「入れてるときに言うてやぁ」

私 「それまだ浸かってへんやろなぁと思うてた」

嫁 「言うてやー」

私 「前に言うてたし」

嫁 「そんとき言うてくれんと」

私 「おもろいかなぁと思うて」

嫁 「別におもしろない」

私はおもしろかった。

ただ、こういう意地悪さは嫁にはないなぁとふと思ったのである。

月例打ち合わせメモの挿絵

月に1度、月初の土曜か日曜に、先月はお互いにどんな1ヶ月だったか、今月はどんなふうにやっていこう、ということを話す時間をとっている。

おおもとは、今後俺らどうしていく?ということを考えようということで、話が大きいので、定期的にそういう話をしてみようか、ということで始まっている。

10分くらいの時もあれば、1時間くらい話すこともある。

そういうのをやってみようということになったのはもう10年前くらい。

でも、毎月出来ていたわけじゃなく、途中で途切れたり、半年やらない時期があったりと、紆余曲折と言うほどではないが、ずっと続いているとは言えない感じだった。

最近はわりとちゃんと定期的に出来ていて、2019年、令和元年からは続いている。

話し合い用のノートがあって、書き方は自由だが、だいたい、年月日と場所をタイトルに書いて、あとはお互いのやることリスト、その時に考えたことや気持ちなんかをメモるものだ。

今年の10月のページに、お互いに挿絵を書いているところがあった。

作:嫁
作:私

おそらく、嫁のやることリストの内容がアグレッシブだったのだろう、性格診断の結果とか、親しい人から言われる言葉として、嫁は「猪突猛進」と表現されることがある。

そう、上の絵はイノシシである。

私のやつも、何となくズレた感じはあるものの、いちおうはイノシシと分かるのではないか?

後から嫁のやつを見たときに、

私 「なにこれ? サイの子ども?」

嫁 「ちがう!イノシシ!」

私 「俺のも何かが違う感じがするけど…」

嫁 「なんでモヒカンなん?」

私 「そこ? それがおかしいんかな…」

というやり取りをしたような記憶がある。

私からすると、嫁に対する全体的なイメージは、おっとり、おおらか、というのが主な感じがするのだが、確かに「猪突猛進」という1面もある。

さて、今年も残すところあと2ヶ月。

お互いに書き出したこと、考えたことを実践、見直ししながら、実りある1ヶ月、1年、そして人生になれば、と願うわけであります。