よく行くショッピングモールへは車で出かけることがほとんどだ。
嫁は車の助手席に乗ると寝る、というパターンが多いのだが、最近は、先日買ってきた「視力回復メガネ」を持参していて、それをかけて乗っていることも多い。(過去の漫画「視力回復メガネ」)
ある日、買い物も終わり、そろそろ帰るかということで、車に乗り込んで帰路についた。
しばらく走ったところで、嫁はおもむろに鞄から視力回復メガネを取り出してかけた。
それを持ち歩き始めたときは、「お、持ってきてるんや、熱心やな、ええこっちゃな」などと言葉を交わしていたが、最近はそれが普通になったので、とくに会話することなくしばらく走っていた。
信号が赤になり停車。
ふと横を見ると、頭がドアのところに当たるくらい首をかしげて、どう見ても睡眠をとっている状態だった。
いや、視力回復メガネをつけても、寝てしまっていたら効果ないんやけどな・・・と思ったのだが、もしかすると彼女なりの深い考え、あるいは、目的があるのかもしれないと思い、しばらく何も言わずそのままにしておいた。
うちに到着する前に「ふぁ~・・・」と言いながら起きたので、言ってみた。
私 「視力回復メガネつけて寝てたら意味ないで(笑)」
嫁 「ふふっ、ほんまや・・・」
・・・ウケた。
どうやら、視力回復以外の別の目的でそのメガネをつけていたわけでも、私には思いもつかない深い考えがあるわけでもなさそうだった。
ある目的のために作られた品物も、その利用方法も、嫁にかかれば、いったんリセットされ、彼女独自の使い方になるのかもしれない。
後日、ふとそのときのことを思い出したのか、嫁が「このメガネは、日よけにもなるし、視力回復にもなるし、便利やね」と。
う~ん、そうなのか?
少なくとも、視界がかなり狭まるので、サングラスと思ってかけると危ないと思う。
実際、視力回復メガネをかけていた嫁に、西日がまぶしかった運転手の私が「サングラスとってくれる?」と言ったとき、
「あかん、見えん・・・」
と、視力回復メガネを外して、サングラスを私に渡してくれた。
私としては何かがしっくりしていないままだ。