食器洗い乾燥機

うちの台所には食器洗い乾燥機が備え付けてある。

いまの家に住み始めて初めて、食器洗い乾燥機というものを使い始めた。

やっぱりそれなりに便利で重宝している。

ただ、細かいことを言うと、たとえば、ビールを飲んだコップをささっとゆすいで入れて、洗浄、乾燥が終わったものに、ビールが入っていた水位のところに、かすかに線上に跡が残っていたりすること結構ある。

考えてみると、食器をざーっと並べて、下から水を吹き上げつつ洗うというメカニズムだが、実際にこすって洗っているわけではないので、そういうこともあるんだろうと思う。

本当なら、ブラシ的なモノがあちこち動いて洗ってくれる形だと、手洗いに近づくのだと思うのだが、ブラシの手入れや劣化、衛生上の課題も考えないといけないだろうし、洗う食器の並びがいつも一定ではないなど、いろいろと難しそうだ。

だいたいスタートさせるときは、お互いに(とくに私は)酔っ払っていることがほとんどだが、どちらかが食器を並べて、スタートボタンを押す。

乾燥の終わった食器を食器棚に戻そうとしたときに、ときどき、洗剤がくっついてしまってい皿があったり、茶碗が上を向いていて水が溜まっているものがあったり、菜箸が飛び散っている姿が散見される。

私は「ははぁ~ん」と思い、嫁に言った。

私 「食洗器に食器入れてから洗剤いれてへんか?」

嫁 「え?そうやったかな、なんで?」

私 「いや、この食洗器、下から水が噴き出して、水を当てて洗う構造になってるやろ」

嫁 「そうなんや」

私 「そやから、食器の上に洗剤がのってたら、そこには水がちゃんと当たらんことがあって、洗剤が残ってまうんや」

嫁 「へぇ~」

私 「だから洗剤は食器入れる前に入れるか、後入れでも食器の上にのらんように入れる方がええわ」

嫁 「ほぉ~」

私 「あと、菜箸なんかは、入れた後に上から皿とか置いて押さえとかんと槽の中で暴れるで」

嫁 「たまにカタカタいうてる~」

私 「ほんで、食器の凹になってる部分が上を向いてると、そこに水が溜まってまうから、凹の面がちょっと下を向く感じで食器を並べた方がええわ。真下に向けると、たくさん置けんし反対面に水が溜まってしまうから、凹の洗いたい面を斜め下にするのがええやろな」

嫁 「いろいろ難しいんやね」

・ ・ ・

おそらく嫁が理解したことは、食器を入れる前に洗剤を入れるようにしましょう、ということだけじゃないかと思っている。

嫁は、家電などの使い方に疎いわけではないはずで、テレビの録画を始め、パソコンやスマホの設定などは、私の方が苦手で、いつも嫁にやってもっている。

ただ、その機械がどういう理屈で動いているかといったことには関心がない、ということなのだろう。

あと、書きながら思ったが「小言の多い姑さながら、俺、めんどくさい奴やな…」とも…。

日々の些細なことに、お互いの性格が見え隠れするもので、それも楽しめるといいなぁと。

日々の些細なことの中に、お互いのちょっとした性格が見え隠れするのであった。