「『The-T』知ってる?」と聞かれると、私を含め、モノは知っていても「何のこと?」と思う人が多いのではないかと思う。
今でも旅館だったら置いてあるところが多いのかもしれないが、先日泊まった旅館の部屋に置いてあったパズル、これの名前が「The-T」ということは初めて知った。

木製の4つのピーズを使って、いろんな形を作ってみましょう、というもの。
「あったな~」「あ~あれね~」という方は、年齢が近いのか、よく旅館へ泊ってらっしゃるのか、知っている方も少なくないと思う。
我々夫婦なんて、たぶん10年以上は見ていないはずなのだが、「あったよね~」とお互いに知っていた。
知っていたもののちゃんとやった記憶がなかったので、ちょっとやってみようということで、しばらくやっていると、結構コツが分かってきて、4つか5つかをつくることが出来た。
そのうちのひとつの写真が上のやつ。
そんなにパズルが得意だとか好きとかいうわけではないのだが、私は、どちらかというと小器用なクチなので、コツさえ掴めたら割とササっとイケる。
さて、旅行へ出かけたときのことなので、もちろん嫁もその部屋にいるわけで、当然「私もやろっ」ということでトライ。
「あっれぇ~!?」から始まり、
「ここが揃ってくれへんのよなぁ」
「ここにカドがあるから無理やん!」
「このパーツがこんな形してるとハマらへんやんか!」
いろんなセリフが聞こえていたが、頑張っている。
あまり私が見ていると集中できないかもしれないと思い、しばらく少し離れたところでスマホでネットサーフィン。
嫁は、独り言のようにぶつぶつ言っていたのだが、少し静かになったような気がしたので、ふと嫁のいた方を見やると、姿がない。
どうも、トイレに行ったようだ。
机のところを見に行くと、こうなっていた。

このゲームが「The-T」というものなので、そこは嫁らしく「それなら『T』を作ってやろうじゃないか!」と思ったのだろう。
トイレから出てきた嫁は頭を掻きながら、
「それちゃうねん!欠けてるパーツがあって「T」にならへんねん!」
いや、そういう欠けているパーツを使って「T」を作ることがこのゲームの醍醐味のはずなのだが・・・
面倒になって辞めるのかと思ったが、またバラバラにして作業を再開する嫁。
今度は静かに、精神を集中して取り組んでいるのか、声はほとんど聞こえない。
「・・・」
「・・・・・」
あまりに静かである。
力尽きてばったり倒れているのかもしれない!
そろそろ様子を見に行こうと、私は立ち上がり、少し間をおくためにトイレに行った。
そして、嫁のいた方へ目をやると、またもや姿がない。
とにかく机の上を確認すべく、見てみると、

「お!『1』できてるやん!」と思ったのだが、このパズルの説明書にあたるものを見てみると。
と思ったのだが、このパズルの説明書にあたるものを見てみると。

「1」はない。
ふと見やると、嫁はふとんのなかに潜り込んでいたのであった。
いまの嫁の心情はどういったものだったのだろう。
考えられるものとしては、
・「1」が出来て満足している
・課題の形ができずショックを受けている
・飽きただけ
・・・などか。
私 「『1』は課題に入ってないけど作ったん?」
嫁 「うん。『1』できた!と思って」
私 「良かったな」
・・・・・
そんなこんなで、このパズルは「The-T」という名前だそうです。