私は普段はコンタクトレンズをつけているが、だいたいでかけるときは、メガネも持って出るようにしている。
視力は、C字の表の一番上が見えないので、何歩か前に出るくらいのものなので、結構な近眼。
以前、コンタクトがずれしまい、左右の視力差が半端ない状態で、半日近く過ごしたことがあって、それからは、出かけるときは忘れずに、メガネを持っていくように心掛けている。
もともと視力が良い方ではなかったけれど、小学校高学年くらいのときに初めてメガネをつくったのだったか。
高校くらいでだいたい今の視力くらいだったかもしれない。
メガネで思い出したのだが、高校か大学のとき、嫁のうちにお邪魔して、なんやらかんやら話をしていて、メガネをふと床に置いて、顔をさすっていたときだったか、それに気づかずに、嫁がメガネを踏んづけてしまったことがあった。
もちろん、パリッ。
幸い、レンズが粉々になったわけではなく、ケガも無かったのだが、レンズにはヒビが入り、フレームは曲がってしまった。
「あ~ごめん~!」
「いや、しゃあないな」
みたいなことを言い合っていたか。
その日はどうやって自分のうちに帰ったのか分からないが、チャリンコで慎重に帰ったのだろうと思う。
翌日だったか数日後だったか覚えていないが、嫁は「メガネごめんね」ということでいくらかお金を渡してきた。
もちろんそういうつもりはなかったので、「いやいやええよ」というものの、「でも…」という話で、受け取った方が嫁の気持ちもすっきりするのかもしれない、という判断のもと、受け取ったのだったろうか。
こういうのは、どう考えるか人によっていろいろあるとは思うのだが、嫁が弁償しようという発想があることに、
「付き合うとるのに律儀なやっちゃな・・・」
と思うのである。
親しき仲にも礼儀あり、という言葉もあるが、あまり固く考えることもないとは言え、友達同士はもちろん、夫婦間であっても、親子間であっても、些細なことの考え方とか価値観といったものは、結構大きなウェイトを占めるものかもしれないなぁと思ったりする。
メガネを床に置いた私もマズかったし、踏んでしまった嫁も気の毒。
嫁に踏まれたメガネはひとたまりもなかったことだろう・・・
それでも、若かりし頃から嫁は、律儀なところがある、という発見につながったわけだ。
そう考えると、万事が、何かを発見するための出来事なのかもしれないな、と思うのである。