
前屈

嫁とのやりとりなどを旦那が書いているブログです。

「上善水の如し」という格言がある。
なにやら嫁が、ジャンルでいうと、倫理に入る内容の本を買って読んでいるらしく、そこでその言葉が出てきたそうだ。
嫁 「『上善水の如し』ってあるやん?」
私 「あるなぁ」
嫁 「あれ、最上の善というのは、水のようなものであって、万物を育み、他と争わない、ということなんやって」
私 「なるほど」
嫁 「あたし『上善水如』ってお酒のことやと思ってた」
私 「お酒あるなぁ」
嫁 「上等のお酒はクセがなくて水のよう、ということかと思ってて」
私 「お酒はまぁそういう意味なんちゃう?」
嫁 「もとは老子の言葉やねんて」
私 「へーそうなんや」
嫁 「ショッキングやわ〜、いや〜知らんかったな〜、てっきりお酒やと・・・はぁ〜そういうことやったんか〜」
・・・
昔の賢人の言葉を、お酒の名前だと思い込んでいたことに、ショックを受けたようだった。
車に乗ると、結構な頻度で眠くなる我が嫁。
先日もこれまでの記録を更新せんばかりの素早さで眠りについていた。
それも「予告新記録」と言えるかもしれないものだ。
いつものように用事を済ませ、ショッピングモールの駐車場に向かい、真夏だったのでしばらくドアを開けて、アッツアツになった車内に風を通す。
そしてエンジンをかけエアコンをマックスにして乗り込み窓を開ける。
そうしてから、じゃあ、ということで窓を閉めてシートベルトを締める。
嫁 「あー車に乗ったらすぐ眠くなるわぁ」
私 「ははは、よう寝てるもんな」
とひと言交わして車を動かす。
立体駐車場のスロープを降り、出口のゲートを通過、右左を確認して出庫、モール前の道路に出て1つ目の赤信号で停まる。
私 「今日は結局本は買わんかったんやな」
嫁 「え…!なに…ビックリしたぁ…」
私 「?」
寝ていたのだ。
私 「あははは、めちゃくちゃ早いがな」
嫁 「えー!もうそんな大っきい声出さんといてぇや」
いや、普段通りのぼそぼそ喋りの私である。
私 「いやいや普通の音量やがな」
嫁 「あぁ…寝てたから大きく聞こえるんやわぁ…」
私 「ははは、知らんがな」
嫁 「だから、大きいって…あぁ眠い」
寝る子は育つ・・・もとい、寝るおばちゃんは横に育つ、にするべきか。
車に限らず、晩酌のときもよく目をつむっていることがある。
私の話があまりにもつまらんか、同じ話が多いのかで、退屈なのかもしれない。
が、そう考えるより、私の存在が嫁にとって安心材料となって眠気を誘っているのだろう、と解釈することにすると、私の存在価値は少しくらいはあるのだと思えるわけだ。
こうして、義父の「彼女はどこででも寝られるようには育てた」と言っていたなぁと思い出したりもするのであった。
先日、なんやかんやで少々落ち込み気味の感じになってしまっていた。
どうも中年の何かの過渡期みたいな、そんなものが、あるような無いようなことを思ったりした。
ただ、そもそも私は、イケイケ!ドンドン!って感じではないし、基本的にテンション低めなので、接する人はそんなに微妙な変化は分からないだろうと思う。
そうそう「何考えてるのか分からない」と言われたことが何度かあるのは、そんな感じの私を説明する1つのエピソードなのかもしれないなぁ。
そうは言ってもやっぱり当然のことながら、内面的にいろいろと波打っていることはあるし、その波が大きい時ももちろんあるわけだ。
そういうのは、人によって表れ方はそれぞれだろうけれども、誰しも気持ちの浮き沈みみたいなことは、あるもんだろうと思う。
そう、そんな、気持ちの沈みの方にあって、どうもアカンなぁと思っていた日の晩酌での会話。
私 「ごめんなぁ、俺がしっかりしとったらなぁ…」
嫁 「う〜ん、しっかりしてたらアナタじゃないからなぁ」
私 「・・・」
嫁 「・・・」
私 「ふ〜む、なんか引っかかる感じもするけど」
嫁 「ふふふ、まぁいいやん、だから2人でおるんやし」
私 「そういうもんか。まぁええか」
と、何かが解決したのかどうかもよく分からないものの、とりあえず「まぁええか」という結論に至った。
秋ですな。
